エネルギー業のビジネス基礎
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コース概要
エネルギー業は、電力市場約 20 兆円・都市ガス市場約 4 兆円・LP ガス市場約 1.6 兆円・石油市場約 15 兆円・再エネ関連市場約 3 兆円の合計約 44 兆円という、日本経済のインフラの中核を担う巨大産業でありながら、業界外の方には「制度」「技術」「時間」がわかりにくい世界です。就業者数は約 30 万人と、少数精鋭で日本社会全体のエネルギー供給を担う産業です。既刊のカーボンニュートラル入門(削減方法論・GHG プロトコル・SBTi)、金融業のビジネス基礎(GX 経済移行債の金融面)、製造業のビジネス基礎(Scope 1-3 の製造業視点)、Web3・ブロックチェーン入門(暗号資産マイニングの電力消費)とは重複を避け、電気事業法・ガス事業法・石油業法・原子炉等規制法の 4 法体系、電力自由化・発送電分離・ガス自由化の 3 施策、旧一般電気事業者 10 社・新電力・OCCTO・JEPX・容量市場・需給調整市場、原子力規制、再エネ FIT /FIP と発電コスト、GX 経済移行債・GX-ETS・CBAM、水素・アンモニア・CCUS・EV 化・系統整備——を、エネルギー業に転職・配属された事務系・営業・人事・経理・経営企画担当者と、エネルギークライアントを担当するコンサル・SIer・広告代理店・金融・投資家・編集者を両方主軸に 8 レッスンで体系化します。
学習の流れ
前半 4 レッスンで電力業を中心に扱います。レッスン 1 で業界の現在地と本コースの守備範囲、レッスン 2 でバリューチェーンと業態別ビジネスモデル、レッスン 3 で 4 法体系と自由化 3 施策、レッスン 4 で旧一般電気事業者 10 社・新電力・JEPX・容量市場・需給調整市場を扱います。中盤のレッスン 5 で都市ガス・LP ガス・石油業界の構造、レッスン 6 で再エネ特別措置法(FIT /FIP)と発電コスト・洋上風力を扱います。後半のレッスン 7 で GX 経済移行債・GX-ETS・TCFD /ISSB /CBAM、レッスン 8 で水素・アンモニア・CCUS・EV 化・系統整備・修了後の学び方までを扱います。全 8 レッスン・約 200 分の構成です。
このコースで学べること
- ✓ エネルギー業の 4 領域(電力・ガス・石油・再エネ)と 3 大機能を地図化できる
- ✓ エネルギー業のバリューチェーンと業態別ビジネスモデルを読み解ける
- ✓ 電気事業法・ガス事業法・石油業法・原子力規制法の 4 法体系を理解する
- ✓ 電力自由化 2016 年 4 月・発送電分離 2020 年 4 月・ガス自由化 2017 年 4 月の自由化 3 施策を扱える
- ✓ 旧一般電気事業者 10 社/新電力/JEPX /容量市場/需給調整市場のプレイヤー構造を把握する
- ✓ 原子力規制委員会 2012 年設置・再エネ特別措置法(FIT 2012 /FIP 2022)・脱炭素政策を扱える
- ✓ GX 経済移行債 2024 年 2 月世界初発行・GX-ETS 2026 年 4 月本格開始の脱炭素金融を理解する
- ✓ 水素・アンモニア・CCUS ・EV 化と系統整備・電気料金激変緩和まで俯瞰し、修了後の継続学習方向を持てる
対象者
エネルギー業(電力・都市ガス・LP ガス・石油・再エネ・水素・原子力)に転職・配属された事務系・営業・人事・経理・経営企画担当者と、エネルギークライアントを担当するコンサル・SIer・広告代理店・金融・投資家・編集者を両方主軸。現場経験はないが「業界としてのエネルギー業を読み解きたい」社会人 3 年目以上を対象。エネルギー事業者への提案・営業を行う方も含む。電力・ガス・石油・再エネ・水素・原子力を業種横断で扱う
講師紹介
村上 陽介(むらかみ ようすけ)
エネルギー業専門コンサルタント/元 大手電力会社経営企画/元 大手商社エネルギー本部/元 外資系エネルギーコンサル
東京大学工学部卒業後、大手電力会社(東京電力ホールディングス/関西電力/中部電力/東北電力類似想定)に新卒入社し 10 年(発電所配属 2 年で運転・保守業務、経営企画部 4 年で電力自由化対応・料金設計・発送電分離準備を主導、燃料調達部 4 年で LNG ・石炭・原子力燃料の調達戦略を担当)。電力業の現場・本部両方の視座を若手のうちに獲得。2014 年に大手商社(三菱商事エネルギー本部/三井物産エネルギー本部/伊藤忠商事エネルギー本部/住友商事エネルギー本部類似想定)へ転じ 4 年(LNG トレーディング 2 年、上流開発投資 2 年で米国シェールガス/豪州 LNG プロジェクトを担当)。商社のトレーディング・上流投資の視座を獲得。2018 年に外資系エネルギーコンサルティング会社(Wood Mackenzie /IHS Markit S&P Global 傘下/Rystad Energy /McKinsey Energy Practice 類似想定)に転じ 5 年(大手電力の脱炭素戦略支援・新電力の事業計画策定・都市ガスの GX 戦略・水素サプライチェーン構築支援・洋上風力プロジェクトファイナンスなど 40 社超を主導)。2023 年に独立、現在はエネルギー業界で 50 社超のコンサル経験を持つエネルギー専門コンサルタントとして年間 15 社の顧問・支援を継続。電力自由化対応・GX 戦略・水素サプライチェーン・洋上風力 PF・容量市場対応が主戦場。並行して東京大学公共政策大学院の非常勤講師を務める。スタンス:「エネルギー業は『制度』『技術』『時間』の 3 軸で捉える」「電力・ガス・石油・再エネは違う言語を話す 4 つの国」「発送電分離と 4 事業構造は電力業のパスポート」「JEPX スポット価格がすべての電力取引の基準線」「脱炭素は業界の 30 年課題であり最大の再定義力」
受講される方へのメッセージ
「「電力会社に転職しました、卸電力取引所と容量市場の違いがわかりません」「新電力を担当することになりました、旧一般電気事業者との商慣行が理解できません」「都市ガス会社に配属されました、電力自由化との違いがわからず戸惑っています」——独立してから、この 3 年で最もよく受けてきた相談です。日本のエネルギー業界は、電力市場約 20 兆円・都市ガス市場約 4 兆円・LP ガス市場約 1.6 兆円・石油市場約 15 兆円・再エネ関連市場約 3 兆円という、合計約 44 兆円の巨大産業でありながら、業界外の方には「制度」「技術」「時間」がわかりにくい世界です。電気事業法、ガス事業法、石油業法、電力自由化、発送電分離、旧一般電気事業者 10 社、新電力、電力広域的運営推進機関 OCCTO 、託送料金、JEPX 卸電力取引所、容量市場、需給調整市場、原子力規制、FIT /FIP 、GX 経済移行債、GX-ETS 、TCFD /ISSB 、水素・アンモニア・CCUS 、EV 化——これらが当たり前に飛び交う会議で、何が議論されているかを理解できるかどうかは、転職者にとっても担当者にとっても提案者にとっても、最初の半年の関わり方を大きく左右します。本コースは、大手電力経営企画 10 年・大手商社エネルギー本部 4 年・外資系エネルギーコンサル 5 年、独立後 50 社超の支援で見えてきた「エネルギー業界を読み解く眼鏡」を、業界外の方に向けて 8 レッスンで届けます。電力・ガス・石油・再エネは「違う言語を話す 4 つの国」ですが、共通する土台(発送電分離と脱炭素)を押さえれば、俯瞰から読み解けるようになります。「制度・技術・時間の 3 軸で捉える発想」を、本コースで身につけていきましょう。」
レッスン一覧
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1
エネルギー業の現在地と本コースの守備範囲
エネルギー業の定義と 4 領域(電力・ガス・石油・再エネ)、日本経済での位置(合計市場規模約 44 兆円・電力 20 兆円・都市ガス 4 兆円・石油 15 兆円・再エネ 3 兆円)、就業者約 30 万人、3 大機能(供給・輸送・課金)、業界を取り巻く 4 構造変化(脱炭素/自由化/地政学/DX )、本コースの守備範囲(転職者・担当者・提案者の 3 視点)、エネルギー業の 3 共通言語(制度・技術・時間)を学ぶ
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2
バリューチェーンと業態別ビジネスモデル
電力業 4 事業(発電・送配電・小売・特定送配電)、都市ガス業 4 事業(製造・輸送・供給・小売)、石油業 4 事業(探鉱開発・製油・元売・SS )、再エネ 5 分類(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)、収益モデル比較(電力= kWh × 単価・ガス=立米 × 単価・石油=精製利益+小売利益・再エネ= FIT /FIP 買取価格)、業態別組織構造、業界横断の 5 経営課題(脱炭素・自由化競争・原子力再稼働・地政学リスク・電気料金激変緩和)を学ぶ
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3
電気事業法・ガス事業法・石油業法・原子力規制法——4 法体系と自由化 3 施策
電気事業法(1964 年制定・2016 年 4 月小売全面自由化・2020 年 4 月発送電分離)、ガス事業法(1954 年制定・2017 年 4 月小売全面自由化)、石油業法(1962 年制定・2002 年廃止・現在は石油の備蓄の確保等に関する法律)、原子炉等規制法(1957 年制定)、電気事業の 4 分類(発電・送配電・小売・特定送配電)、発送電分離 4 パターン(会計/機能/法的/所有権)、電力広域的運営推進機関 OCCTO 2015 年 4 月設立、託送料金制度、原子力規制委員会 2012 年 9 月 19 日設置を学ぶ
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4
旧一般電気事業者 10 社・新電力・JEPX /容量市場/需給調整市場
旧一般電気事業者 10 社(東京電力 HD /関西電力/中部電力/東北電力/九州電力/中国電力/四国電力/北陸電力/北海道電力/沖縄電力)、新電力(PPS /小売電気事業者 700 社超)、JEPX 卸電力取引所 2003 年設立・スポット市場/時間前市場/先渡市場、容量市場 2020 年制度化・2024 年 4 月本格運用、需給調整市場 2021 年 4 月開始、非化石証書 2018 年 5 月開始、電力先物市場 EEX /TOCOM 2019 年、電力小売の主要新電力(エネオスでんき/東京ガス電気/大阪ガス電気/ソフトバンクでんき/楽天でんき/Looop でんき)を学ぶ
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5
都市ガス/LP ガス/石油業界の構造
都市ガス 4 大手(東京ガス 1885 年創業/大阪ガス 1897 年/東邦ガス 1922 年/西部ガス 1930 年)、LP ガス市場約 2,000 万世帯・元売 岩谷産業/ジャパンガスエナジー/ENEOS グローブ/伊藤忠エネクス、石油業界の元売 4 社(ENEOS ホールディングス 2020 年統合/出光興産+昭和シェル 2019 年統合/コスモエネルギーホールディングス/キグナス石油)、SS 全国約 2.8 万か所(2014 年 3.6 万→ 2024 年 2.8 万で減少中)、石油備蓄制度(国家 90 日・民間 70 日)、SAF(持続可能航空燃料)2030 年 10 % 目標を学ぶ
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6
再エネ特別措置法(FIT /FIP)と発電コスト・洋上風力
再エネ特別措置法(2012 年 7 月施行)、FIT(Feed-in Tariff、固定価格買取制度)と FIP(Feed-in Premium、市場連動プレミアム制度、2022 年 4 月開始)の違い、太陽光発電(累計約 90 GW 、世界第 3 位)と接続保留問題・出力制御、風力発電(陸上約 5 GW /洋上約 0.14 GW )と洋上風力ラウンド(第 1 回 2021 年 12 月/第 2 回 2023 年 12 月)、地熱発電(松川地熱発電所 1966 年運転開始)、バイオマス発電と燃料調達問題、水力発電(大規模:J-POWER/中規模:地方電力/小水力)、発電コスト検証 2021 年・IEA WEO 2024 を学ぶ
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7
GX 経済移行債 2024/GX-ETS 2026/TCFD /ISSB /CBAM
GX 推進戦略 2023 年 5 月閣議決定・GX 実行会議、GX 経済移行債 2024 年 2 月世界初国家発行(総額 20 兆円)、GX-ETS 2023 年 4 月試行開始・2026 年 4 月本格開始・GX リーグ 700 社超参加、TCFD 2015 年 12 月設立→ 2017 年 6 月最終提言→ 2023 年 10 月 ISSB に承継、ISSB IFRS S1 /S2 2023 年 6 月公表、SSBJ 日本基準 2025 年 3 月確定、Scope 1-3 GHG プロトコル 2001 年、EU CBAM 2023 年 5 月採択・2023 年 10 月移行期間・2026 年 1 月本格施行、非化石証書 3 分類、J-クレジット 2013 年 4 月を学ぶ
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8
水素・アンモニア・CCUS ・EV 化と系統整備・修了後の継続学習
水素基本戦略 2017 年 12 月策定・2023 年 6 月改定、水素供給網(青色水素・緑色水素・グレー水素)、アンモニア混焼・専焼、CCUS(CO₂ 回収・利用・貯留、Carbon Capture, Utilization and Storage)、CCS 事業法 2024 年 5 月成立・2026 年施行、e-Fuel(合成燃料)2030 年商用化目標、EV 化(乗用車新車販売の EV 比率 2 %・2035 年 100 % 目標)、系統整備(マスタープラン 2023 年 3 月策定・広域連系系統・海底直流送電)、電気料金激変緩和対策事業 2023 年 1 月開始、修了後の継続学習方向(資源エネルギー庁統計・電力調査統計・OCCTO ・JEPX ・IEA WEO )を学ぶ
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(84語)
- 一次エネルギー(いちじえねるぎー)
- 自然界に存在するそのままの状態のエネルギー。石油・石炭・天然ガス・水力・太陽光などが該当。日本の一次エネルギー自給率は約 12 %。 → レッスン 1
- インテグレーテッド構造(いんてぐれーてっどこうぞう)
- 製造・供給・小売の複数事業を統合する垂直統合構造。都市ガス 4 大手(東京ガス・大阪ガス・東邦ガス・西部ガス)が典型例。 → レッスン 2
- 岩谷産業
- LP ガス業界最大手、水素事業も展開する日本のエネルギー企業。水素ステーション国内最大手。 → レッスン 5
- ENEOS ホールディングス(えねおすほーるでぃんぐす)
- 石油元売の業界最大手、2020 年 6 月に旧・JX ホールディングスと旧・東燃ゼネラル石油が統合。売上約 15 兆円。 → レッスン 5
- 応動時間
- 需給調整市場での調整力の反応時間。一次調整力 10 秒以内、二次調整力 5 分以内、三次調整力 15-45 分以内で分類される。 → レッスン 4
- OCCTO(おっくとー)
- Organization for Cross-regional Coordination of Transmission Operators、電力広域的運営推進機関。2015 年 4 月設立の中立機関で、全国大の需給調整・系統整備計画・容量市場・需給調整市場を運営。 → レッスン 3、4