カーボンニュートラル入門
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コース概要
カーボンニュートラルは「削減」と「オフセット」の二階建てで、優先順位を間違えると企業の意思決定は破綻します。本コースは、環境部門で 15 年、独立コンサルとして 4 年の伴走で得た「削減の設計図」の作り方を、2026 年 7 月時点の制度と実務で 8 レッスンにまとめました。GHG プロトコル・Scope 1-3・SBTi・CDP・TNFD・CBAM・GX-ETS まで、脱炭素の算定・目標設定・開示・削減施策を、環境部・生産管理・調達・エネルギー担当・DX 推進の 5 部門の意思決定に届く形で扱います。個別ベンダーの深追いや資格試験対策ではなく、次の中期経営計画で使える「移行戦略」の判断軸を持ち帰ることが本コースの目的です。
学習の流れ
前半 4 レッスンで「制度の骨格」を固めます。レッスン 1 で温室効果ガスの科学とパリ協定、Net Zero と Carbon Neutral の違い、レッスン 2 で GHG プロトコル Corporate Standard と Scope 1・2・3 のバウンダリー、レッスン 3 で Scope 3 の 15 カテゴリの内訳と算定実務、レッスン 4 で SBTi 認定プロセス・CDP 質問書・TCFD → ISSB 承継・TNFD を扱います。中盤のレッスン 5 で削減施策の階層(省エネ・再エネ調達・電化・トランジション技術)、レッスン 6 でカーボンプライシング(GX-ETS・EU-ETS・J-クレジット・非化石証書・Scope 2 マーケット/ロケーション)を扱います。後半のレッスン 7 で CBAM 2026 年 1 月本格施行と CSDDD、改正温対法の対応実務、レッスン 8 で削減ロードマップと移行戦略、TCFD シナリオ分析、インターナル・カーボン・プライス、修了後の学び方までを扱います。全 8 レッスン・約 200 分の構成です。
このコースで学べること
- ✓ 温室効果ガスの科学とパリ協定 1.5℃目標、Net Zero と Carbon Neutral の違いを理解する
- ✓ GHG プロトコル Corporate Standard に基づく Scope 1・2・3 の算定バウンダリーを設定できる
- ✓ Scope 3 の 15 カテゴリ(上流 8・下流 7)の内訳を把握し、優先順位を決められる
- ✓ SBTi 認定プロセス、CDP 質問書 3 領域、TCFD → ISSB 承継、TNFD の役割を整理できる
- ✓ 削減施策の階層(省エネ・再エネ調達・電化・燃料転換・トランジション技術)で選択肢が組める
- ✓ カーボンプライシング(GX-ETS・EU-ETS・J-クレジット・非化石証書)に対応できる
- ✓ CBAM 2026 年 1 月本格施行と CSDDD の対応実務を組み立てられる
- ✓ 削減ロードマップと移行戦略を、中期経営計画に組み込む発想を持てる
対象者
環境部・生産管理・調達・エネルギー担当・DX 推進・サステナビリティ推進。GHG 算定を実務で行う方、SBTi 認定・CDP 回答・CBAM 対応の担当者、GX-ETS 移行に備える企業の管理職
講師紹介
大和田 智也(おおわだ ともや)
カーボンニュートラル・コンサルタント/元 国内大手化学メーカー環境部長/SBTi 認定支援 30 社超
国内大学工学部 化学工学科を卒業後、社会人 MBA を取得。2001 年に国内大手化学メーカーの生産技術部へ新卒入社し、6 年間、生産プロセスの改善と設備投資を担当。2007 年に環境安全部門へ異動し、環境マネジメント(ISO 14001)と工場エネルギー管理を 8 年経験、大気汚染・水質・廃棄物・化学物質管理の基礎を身につけた。2015 年にサステナビリティ推進室長として全社の Scope 1-3 算定基盤構築、SBTi 認定取得を主導、5 年間で 3 事業部の Scope 3 データ収集体制を整えた。2020 年に環境部長として CBAM・GX-ETS 対応、カーボンニュートラル目標の中期経営計画反映を推進、2 年で欧州輸出を継続しながら削減目標を達成する体制を構築。2022 年に独立してカーボンニュートラル・コンサルティング事務所を設立、2026 年 7 月時点で独立 4 年目、国内製造・小売・SaaS 30 社の CN 移行を伴走。信条は「カーボンニュートラルは削減とオフセットの二階建て——優先順位を間違えない」
受講される方へのメッセージ
「カーボンニュートラル対応は、単なる環境対策ではありません。中期経営計画・投資判断・調達方針・製品設計・組織のガバナンスすべてに関わる、経営そのものの再設計です。本コースでは、環境部門で 15 年、独立コンサルとして 4 年、多くの企業の伴走で得た「削減の設計図」の作り方を、2026 年 7 月時点の制度と実務で 8 レッスンにまとめました。数字を算定することではなく、削減を実行することが目的である、という視点を持ち帰っていただきたいと考えています」
レッスン一覧
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1
カーボンニュートラルとは何か——GHG の科学、パリ協定、Net Zero と Carbon Neutral
本コースの守備範囲(GHG プロトコルに則った算定と削減施策)、温室効果ガスの科学、パリ協定 1.5℃目標と 2℃目標、IPCC AR6 の要点、Net Zero と Carbon Neutral の違い、Carbon Positive、境界明示、中核メッセージ 6 個を学ぶ
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2
GHG プロトコル Corporate Standard——6 種のガスと Scope 1・2・3
GHG プロトコル Corporate Standard 初版 2001 年・改訂 2004 年、7 種のガス(CO₂/CH₄/N₂O/HFCs/PFCs/SF₆/NF₃)、GWP(地球温暖化係数)、Scope 1(自社直接)/Scope 2(購入電力間接)/Scope 3(サプライチェーン全体)の分類とバウンダリー設定、算定基本フローを学ぶ
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3
Scope 3 の 15 カテゴリ徹底——上流 8・下流 7 の算定実務
Scope 3 Standard 2011 年、上流 8 カテゴリ(購入した製品・サービス、資本財、燃料・エネルギー、輸送・配送、廃棄物、出張、通勤、リース資産)、下流 7 カテゴリ(輸送・配送、加工、使用、廃棄、リース資産、フランチャイズ、投資)、算定の実務、データ収集の壁、優先順位付けの発想を学ぶ
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4
目標設定と認定——SBTi・CDP・TCFD → ISSB・TNFD
SBTi 設立 2015 年と認定プロセス、Net Zero Standard 2021 年 10 月、目標水準(1.5℃・Well-below-2℃)、CDP 設立 2000 年と質問書 3 領域(気候変動・水セキュリティ・森林)、TCFD 2015 年 12 月設立・2017 年推奨事項・2023 年 10 月 ISSB へ役割承継、TNFD 発足 2021 年 6 月・v1.0 公表 2023 年 9 月を学ぶ
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5
削減施策の階層——省エネ・再エネ・電化・トランジション技術
削減施策の階層(省エネ→再エネ調達→電化→燃料転換→トランジション技術)、RE100 2014 年 9 月設立、再エネ調達手段(オンサイト自家消費/PPA コーポレート/オフサイト/グリーン電力証書)、電化とヒートポンプ、水素・アンモニア・CCUS の位置づけを学ぶ
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6
カーボンプライシングと国内制度——GX-ETS・EU-ETS・J-クレジット・非化石証書
GX-ETS 試行 2023/4 〜 2026/3・本格開始 2026/4、GX 経済移行債 2024 年 2 月世界初国家発行、EU-ETS の系譜と 2005 年開始、J-クレジット制度 2013 年 4 月、非化石証書 2018 年 5 月、Scope 2 マーケットベース/ロケーションベース、内部炭素価格の設計を学ぶ
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7
CBAM 2026 年 1 月本格施行と国際規制——CSDDD・改正温対法
EU CBAM 2023 年 5 月採択・移行期間 2023 年 10 月〜2025 年 12 月・本格施行 2026 年 1 月、対象品目 6 分野(鉄鋼・アルミ・セメント・肥料・電力・水素)、輸出企業対応、CSDDD 2024 年 5 月採択と加盟国国内法制化 2026 年 7 月まで、改正温対法 2022 年 4 月、企業別排出量開示制度を学ぶ
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8
削減ロードマップと移行戦略、修了後の学び方
中期経営計画への反映、TCFD シナリオ分析(1.5℃・2℃・4℃シナリオ)、投資判断のインターナル・カーボン・プライス、移行計画(Transition Plan)、生物多様性・水・自然関連リスク(TNFD 応用)、修了後の学習方向(外部リソースのみ)、コース総括を学ぶ
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(91語)
- アンモニア
- NH₃。トランジション技術の燃料候補。燃焼時に CO₂ を排出しないため、混焼発電・船舶燃料での利用が研究されている。日本の重工業で研究が活発。→ レッスン 5
- 移行計画
- 企業のカーボンニュートラル達成の道筋を示す計画。削減目標、施策の内訳、投資額、リスクと機会、ガバナンス、仮定と依存関係を含む。UK TPT Framework(2023 年 10 月)が業界標準として広がる。→ レッスン 8
- 移行リスク
- TCFD のリスク分類の 1 つ。カーボンプライシング、規制強化、技術転換、市場変化、評判リスクなど、脱炭素社会への移行に伴うリスク。1.5℃シナリオで最大化。→ レッスン 8
- インターナル・カーボン・プライス(いんたーなる・かーぼん・ぷらいす)
- 社内で自主的に設定する炭素価格。投資判断や事業計画で GHG 排出に社内費用を割り当てる。Shadow Price、Internal Carbon Fee、Implicit Price の 3 種類。CDP 中央値 $40〜100/t-CO₂。→ レッスン 6、レッスン 8
- エネルギー効率(えねるぎーこうりつ)
- 投入エネルギーに対する出力の比率。ボイラー効率、モータ効率、空調 COP、電力の力率など。省エネ施策の追跡指標。→ レッスン 5
- オフセット
- 自社の排出を、他所での削減・吸収でバランスを取ること。J-クレジット、非化石証書、国際クレジットなど。「使う」ものであって「頼る」ものではない、が本コースの立場。→ レッスン 1、レッスン 6