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スキルアップカレッジ

私塾・予備校・通信教育・大学 6 分類・共通テスト

レッスン5:私塾・予備校・通信教育・大学 6 分類・共通テスト

このレッスンで学ぶこと

  • 私塾・予備校の主要プレイヤー(河合塾・駿台・東進・SAPIX日能研・四谷大塚)を理解する
  • 通信教育(進研ゼミZ 会スタディサプリ)の構造を掴む
  • 大学の 6 分類(旧帝大/国公立/早慶上智/GMARCH /関関同立ほか)を扱う
  • 共通テスト(2021 年開始)と大学入試改革を把握する

前回のレッスンでは、公立学校 vs 私立学校、学校法人会計、私立中高一貫校、中学受験 4 大塾を扱いました。今回は、私塾・予備校・通信教育の全体像と、大学 6 分類・共通テストを扱います。

大学受験予備校の主要プレイヤー

河合塾

河合塾は 1955 年設立、名古屋発祥の大手予備校。売上約 700 億円、首都圏・関西・東海・九州に約 60 校舎、生徒数約 8 万人。特徴は、記述模試(河合塾全統模試)の権威性、東大対策と医学部対策の両輪、講師の質の高さです。

駿台予備学校

駿台予備学校は 1918 年設立、東京発祥の老舗予備校。売上約 350 億円、全国約 25 校舎、生徒数約 3 万人。特徴は、理系(特に東大・京大理系・国立医学部)に強い伝統、駿台全国模試・駿台ベネッセ記述模試の権威性です。

東進ハイスクール

東進ハイスクールは 1976 年設立、株式会社ナガセの中核事業。売上約 500 億円、全国約 1,000 校舎(東進衛星予備校のフランチャイズを含む)、生徒数約 12 万人。特徴は、映像授業システム、実力講師陣(林修・安河内哲也・今井宏など)、AI 演習「東進 AI 学習ナビゲーター」の活用です。

大学受験の予備校三大巨頭

大学受験予備校は「河合塾・駿台・東進」の三大巨頭が業界を牽引しています。加えて、代々木ゼミナール(1957 年設立、2014 年に大幅縮小、現在は少人数・映像中心)、四谷学院(1974 年設立、55 段階個別指導が特徴、売上約 100 億円)、増田塾(1993 年設立、私立文系特化、少人数集団指導)が中規模プレイヤーとして併存しています。

通信教育の主要プレイヤー

進研ゼミ(ベネッセホールディングス)

進研ゼミは 1955 年に「福武書店」(現ベネッセホールディングス)が創業した通信教育。会員数は最盛期 2001 年約 470 万人から 2024 年約 240 万人と半減しましたが、ベネッセ本業の中核事業として運営が続いています。「小学講座」「中学講座」「高校講座」の 3 系統で、月額 3,000-15,000 円のサブスク型、専用タブレット「チャレンジパッド」、赤ペン先生の添削指導が特徴です。

Z 会

Z 会は 1931 年設立の老舗通信教育。「増進会ホールディングス」がグループ運営、栄光ゼミナール、Z 会エデュース、栄光サイエンスラボなどを含む教育総合企業です。売上約 250 億円、Z 会本体は「難関大学志向」で東大・京大・国立医学部対策の伝統ブランドで、進研ゼミより上位層志向です。

スタディサプリ(リクルートホールディングス)

スタディサプリは 2011 年開始、リクルートホールディングスの教育サービス。月額 2,178 円の低価格+オンライン映像授業+志望校別対策で急拡大しました。会員数は約 200 万人、大学受験のスタディサプリ大学受験講座、社会人向けの ENGLISH 、法人向けのスタディサプリ for TEACHERS(学校導入)などで幅広く展開しています。

通信教育の DX 化

通信教育は 2010 年代以降、紙媒体からデジタルへの転換が急速に進みました。専用タブレット、スマホアプリ、AI 学習履歴分析、ライブ授業配信、Web 添削などの機能が標準化し、EdTech との境界が曖昧になりつつあります。

大学の 6 分類

日本の大学は、進学難易度と大学ブランドで大きく 6 分類されるのが業界標準です。

第 1 の旧帝大:東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、東北大学、九州大学、北海道大学の 7 校。戦前の帝国大学の系譜を持ち、研究力と社会的評価で圧倒的地位を持ちます。旧帝大+東京工業大学(現東京科学大学、2024 年 10 月に東京医科歯科大学と統合)+一橋大学+神戸大学を「難関 10 大学」と括るのも一般的です。

第 2 の国公立大学:旧帝大以外の国立大学 75 校+公立大学 92 校。地方国公立大学、教育大学、医科大学、単科工業大学、女子大学などが該当します。地方大学は少子化で経営が苦しく、公立大学化(元私立の県立大学化)、統合再編(旧国立大学同士の統合、東京医科歯科大学と東京工業大学の 2024 年 10 月統合)が進行しています。

第 3 の早慶上智:早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学の 3 校(時に東京理科大学を加えて「早慶上理」)。私立大学トップ 3 で、社会的評価と就職実績で難関国立大学に並ぶブランド力を持ちます。

第 4 の GMARCH:学習院大学・明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学の 6 校。首都圏の上位私立大学として、幅広い学部と社会的評価を持ちます。近年は「MARCH」に学習院を加えた「GMARCH」の表記が定着しています。

第 5 の関関同立:関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学の 4 校。関西の上位私立大学で、GMARCH に相当するブランド力を持ちます。同志社が私大最難関、立命館・関学が中堅上位、関大が幅広い層を集めています。

第 6 の日東駒専・産近甲龍・大東亜帝国:日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)、産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)、大東亜帝国(大東文化大学・東海大学・亜細亜大学・帝京大学・国士舘大学)は、GMARCH や関関同立の下位ながら、大規模な学生数を抱える中堅私立大学群です。近畿大学は近年、経営改革で志願者数国内トップ(2024 年約 15 万人)を長年維持しており、私大改革の代表例となっています。

これら 6 分類の下位に、地方私立大学・単科私立大学・専門大学があり、多くが少子化と定員割れの課題を抱えています。

共通テストと大学入試改革

大学入学共通テストは 2021 年 1 月に第 1 回が実施された、日本の大学入試の標準テストです。旧・大学入試センター試験(1990-2020 年、通称「センター試験」)の後継で、31 年間続いたセンター試験に代わって導入されました。

共通テストの主要変更点

センター試験と共通テストの主な違い:

  • 記述式問題の導入予定(当初計画)→2019 年 12 月に見送り決定(採点の公平性、業者選定問題)
  • 英語民間試験の活用予定(TEAP、TOEFL、IELTS など)→2019 年 12 月に見送り決定(家庭経済状況による格差、地域格差)
  • 思考力・判断力・表現力を重視した出題(グラフ・図表・文章の読解、複数資料参照)
  • 数学 I・A、数学 II・B の思考プロセス重視化

2025 年度から情報 I が新規科目として追加されます(2022 年度高校入学生から高校で必修化された「情報 I」の対応)。共通テストは 8 教科 21 科目体制(数学 II・B・C を含む新課程対応)となります。

大学入試改革の失敗と教訓

2019 年 12 月の記述式・英語民間試験の見送りは、大学入試改革の失敗事例として語られます。文部科学大臣の萩生田光一氏の「身の丈発言」(英語民間試験の家庭経済負担について「身の丈に合わせて頑張って」との発言)が炎上し、10 月末に英語民間試験見送り、12 月に記述式見送りと立て続けに主要改革が撤回されました。

その後の入試改革は「実施可能性の慎重な検証」を経て段階実施される方針となり、2025 年度からの情報 I 出題は数年間の準備期間を経て導入される形になりました。

総合型選抜(旧 AO 入試)・学校推薦型選抜

一般選抜(共通テスト+大学個別試験)に加えて、総合型選抜(旧 AO 入試、2021 年名称変更)と学校推薦型選抜(旧公募推薦・指定校推薦、2021 年名称変更)が拡大しています。国立大学の総合型・学校推薦型入学者比率は約 25 %、私立大学は約 60 % に達し(2024 年度)、一般選抜の位置づけが相対的に低下しています。

総合型選抜は、大学ごとの多様な選抜方法(志望理由書・小論文・面接・プレゼンテーション・大学独自の適性検査など)で、探究学習・課外活動・自主研究の実績を評価する枠組みです。高校での探究学習必修化(2022 年度〜)と連動する形で、拡大が続いています。

📝 補足 大学入試の多様化は、大学側の学生確保戦略と、高校側の探究学習・キャリア教育強化と連動しています。総合型・学校推薦型の比重が高まる中で、共通テスト対策一辺倒の受験勉強から、「多面的評価に対応できる自己プロデュース力」が高校生に求められるようになりつつあります。

まとめ

このレッスンでは、以下のことを学びました。

  • 大学受験予備校三大巨頭:河合塾(1955 年、名古屋発祥、売上 700 億円、60 校舎 8 万人)/駿台(1918 年、東京発祥、350 億円、25 校舎 3 万人、理系特化)/東進ハイスクール(1976 年、ナガセ、500 億円、1,000 校舎 12 万人、映像授業)
  • 通信教育:進研ゼミ(1955 年ベネッセ、会員 240 万人)/Z 会(1931 年、増進会 HD、難関大志向)/スタディサプリ(2011 年リクルート、月額 2,178 円、200 万人)
  • 通信教育は 2010 年代以降デジタル化、専用タブレット・AI 学習履歴・ライブ授業配信で EdTech との境界曖昧化
  • 大学 6 分類:旧帝大(7 校+4 校=難関 10 大学)/国公立(75+92 校)/早慶上智/GMARCH /関関同立/日東駒専・産近甲龍・大東亜帝国
  • 東京工業大学と東京医科歯科大学は 2024 年 10 月に統合して東京科学大学に、大学統合再編が加速
  • 共通テストは 2021 年 1 月第 1 回実施、センター試験(1990-2020 年)の後継、記述式・英語民間試験は 2019 年 12 月見送り、2025 年度から情報 I 追加
  • 総合型選抜(旧 AO )と学校推薦型選抜が拡大、国立 25 %/私立 60 % が総合型・学校推薦型(2024 年度)、探究学習必修化と連動

次のレッスンでは、少子化と大学淘汰、大学ファンド 10 兆円国際卓越研究大学、リージョナル大学の生き残り戦略、私立学校法改正、大学ガバナンス改革を扱います。


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