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スキルアップカレッジ

リモートと協業の入口——GitHub の使い方

このレッスンで学ぶこと

  • GitHub のアカウント作成と 2 要素認証(2FA)の設定
  • リモートリポジトリの作成方法を理解する
  • ローカルとリモートの連携(git remote/push/pull/fetch)を使える
  • README の役割を整理する
  • 公開リポジトリ非公開リポジトリの使い分けを把握する
  • 認証方法(HTTPS・SSH・GitHub CLI・Personal Access Token)の選択肢を知る

レッスン4:リモートと協業の入口——GitHub の使い方

前のレッスンまでで、ローカルでの Git 利用(リポジトリ・コミットブランチマージ)を扱いました。今回のレッスンから、GitHub に進みます。「自分の PC だけで完結する Git」から、「クラウドで共有する GitHub」へとステップアップします。チーム開発の入口に立つレッスンです。

GitHub のアカウント作成と 2FA

アカウント作成

GitHub のアカウントは、公式サイト(https://github.com/)で無料で作成できます

  1. https://github.com/signup から登録
  2. メールアドレス・パスワード・ユーザー名を入力
  3. メール認証を完了

ユーザー名の選び方

ユーザー名は、URL(https://github.com/ユーザー名)の一部になり、コミット履歴にも表示されます。

  • 個人利用:自分のハンドルネーム
  • 業務利用:会社のドメインに合わせる
  • OSS 活動を意識:覚えやすく一意な名前

一度設定したユーザー名は変更可能ですが、変更前の URL に飛ぼうとした人がエラーになるので、最初に慎重に選ぶのが推奨です。

2 要素認証(2FA)の設定

2026 年 6 月時点では、GitHub のすべてのアカウントで 2 要素認証(2FA)が必須化されています。

  • アカウント作成時または初回ログイン時に 2FA の設定を求められる
  • 認証アプリ(Google Authenticator、Authy など)または物理セキュリティキー(YubiKey など)が使える
  • パスキー(FIDO2)対応も進んでいる

2FA の設定を後回しにすると、しばらくしてアカウントが利用制限されることがあります。アカウント作成時に併せて設定するのが推奨です。

⚠️ 注意 2FA の設定情報(回復コード)は、絶対に紛失しないように保管してください。スマホ紛失時に回復コードがないと、アカウント回復が困難になります。

リモートリポジトリの作成

GitHub 上に新しいリポジトリを作る手順を整理します。

GitHub での作成

  1. GitHub にログイン
  2. 右上の「+」アイコン →「New repository」を選択
  3. リポジトリ名、説明、公開/非公開、README の有無を選択
  4. 「Create repository」をクリック

公開(Public)と非公開(Private)

種別 説明
Public URL を知っていれば誰でも閲覧可能
Private 招待された人だけがアクセス可能

無料アカウントでも、Public・Private いずれも無制限に作成できます(2026 年 6 月時点)。

リポジトリ名の付け方

  • 用途を表す名前:my-portfolio-sitehtml-css-practice
  • ハイフン区切り(アンダースコアより推奨)
  • 簡潔で覚えやすい

作成後の画面

リポジトリ作成後、「Quick setup」というページが表示されます。ここに、ローカルから接続する手順がそのまま書いてあります。

💡 ポイント 初心者の方は、最初は GitHub 側で README を含めずに作成し、ローカルで git init から始めるリポジトリを push するパターンで進めると、Git の理解と GitHub の操作が紐づきやすくなります。

ローカルとリモートの連携

ローカルリポジトリと GitHub のリモートリポジトリを連携させる流れを整理します。

リモートの登録(git remote add)

ローカルリポジトリに「このリモートを使う」と教えるコマンドです。

git remote add origin https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git

origin は慣習的な名前で、「メインのリモート」を表します。複数のリモートを使うこともでき、その場合は別名を付けます。

push——ローカルの commit をリモートに送る

git push -u origin main

-u(または --set-upstream)は、「これからこのブランチは origin の main に紐づく」と Git に教えるオプションです。初回だけ付けると、以降は git push だけで OK です。

pull——リモートの変更をローカルに取り込む

git pull origin main

git pull は内部的に git fetch(リモートの情報を取得)と git merge(取得した変更をマージ)を組み合わせたコマンドです。

fetch——リモートの情報だけを取得

git fetch origin

fetch は「リモートの状況を確認するだけ」のコマンドです。merge は行いません。

git fetch
git log origin/main    # リモートの履歴を確認
git merge origin/main  # 自分で merge を判断

このように、fetchmerge を分けて使うこともできます。

clone——既存のリモートをローカルにコピー

新しい PC で作業を始めるとき、または他人のリポジトリを取り込むときに使います。

git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git

これで、リポジトリのフォルダがそのまま作られ、origin の設定も自動でされます。

📝 補足 初心者の方は、まず git pushgit pull を覚えてから、必要に応じて git fetch の使い分けを覚えればよいです。日常作業では pushpull で十分なケースが多くあります。

README の役割

GitHub のリポジトリページを開いたとき、最初に表示されるのが README.md です。これは、

  • リポジトリの目的・内容を説明
  • インストール・使い方の手順
  • 参考リンクや作者情報

を伝える「最初のドキュメント」です。

README.md の基本構成

# プロジェクト名

短い説明(1〜2 文)。

## 機能

- 何ができるか
- 主要機能を箇条書きで

## 使い方

具体的な手順。

## ライセンス

MIT License など、利用条件を明示。

Markdown 記法で書け、GitHub が自動で整形して表示します。

README はリポジトリの「顔」

外部の人が初めてリポジトリを訪れたとき、README で「このプロジェクトは何か」「自分に関係があるか」を判断します。良い README は、

  • 1 分で「何をするものか」がわかる
  • インストール・使い方が手順としてはっきりしている
  • スクリーンショットや動作例がある
  • 開発状況(バージョン、最終更新、テスト状況)が見える

長すぎる README は逆効果です。重要な情報を最初に配置し、詳細は別ファイルに分けるのも 1 つの手です。

💡 ポイント README は「自分のためのメモ」ではなく「外部の人のための案内」と意識して書くと、読みやすさが大きく変わります。1 か月後の自分も「外部の人」だと考えるとちょうどよいです。

認証方法の選択肢

GitHub に push したり pull したりするとき、認証が必要です。2026 年 6 月時点で利用できる認証方法を整理します。

HTTPS + Personal Access Token(PAT)

URL を https://github.com/... で扱う方法です。パスワードの代わりに、Personal Access Token(PAT)を使います。

  • 設定が簡単
  • ファイアウォール越えがしやすい
  • PAT はトークン文字列で、定期的に更新する必要がある

PAT の作成手順:

  1. GitHub の Settings → Developer settings → Personal access tokens
  2. 「Generate new token」を選択
  3. 必要な権限を選択
  4. 表示されたトークンを安全に保管(一度しか表示されない)

SSH

URL を git@github.com:... で扱う方法です。SSH 鍵を使って認証します。

  • 一度設定すると以降は自動認証
  • セキュリティが高い
  • ファイアウォールで SSH ポート(22)が塞がれていると使えないことがある

SSH 鍵の作成と登録:

# SSH 鍵を作成
ssh-keygen -t ed25519 -C "your_email@example.com"

# 公開鍵の内容をコピー
cat ~/.ssh/id_ed25519.pub

# GitHub の Settings → SSH and GPG keys で登録

GitHub CLI(gh)

公式の CLI ツールで、ブラウザを介した OAuth 認証ができます。

# GitHub CLI のインストール
brew install gh   # macOS
# Windows は winget または scoop

# 認証
gh auth login

ブラウザで認証すると、以降は CLI と git コマンドの両方で GitHub が使えます。2026 年 6 月時点では、初心者にもおすすめの方法です。

Git Credential Manager(Windows)

Git for Windows をインストールするときに、Git Credential Manager をインストールするか聞かれます。これを使うと、最初の操作でブラウザが開いて GitHub のログインを促し、以降は自動で認証されます。Windows ユーザーの定番です。

📝 補足 認証方法は、組織の方針や個人の好みで選びます。「迷ったら GitHub CLI」か「Windows なら Git Credential Manager」がおすすめです。

公開と非公開の使い分け

リポジトリを公開(Public)にするか非公開(Private)にするかは、用途で判断します。

公開にする場面

  • OSS として公開したい
  • ポートフォリオとしてほかの人に見せたい
  • 学習成果を残したい
  • 教材として配布したい

公開リポジトリは、GitHub の検索でヒットし、誰でもクローンできます。コミット履歴(メール含む)も公開されます。

非公開にする場面

  • 業務のコード・社内ドキュメント
  • 個人の機密データ(パスワード、API キーは含めない前提でも)
  • 開発途中で他人に見せたくない段階
  • 学習中のコードで完成前の状態

非公開リポジトリは、招待された人だけがアクセスできます。

「公開」だが「秘密情報を含めない」

公開リポジトリでも、秘密情報(パスワード、API キー、個人情報)は絶対に含めないのが鉄則です。次のレッスンで .gitignore という仕組みを使って、特定のファイルを Git の管理対象から外す方法を扱います。本レッスンでは、「公開リポジトリ= Git の履歴に残ったものはすべて公開される」と覚えてください。

⚠️ 注意 一度公開リポジトリに push した秘密情報は、後から削除しても履歴に残ります。公開する前に、何を含めるかを確認する習慣を持ちましょう。

講師の現場メモ:「初めての public リポジトリで世界に発信した日」

私(青木)が大学生時代、最初に GitHub のアカウントを作って、自分が書いた小さなツールを public リポジトリで公開した日のことを、いまでも覚えています。

ツールは、画像ファイルを一括でリサイズする簡単なシェルスクリプトでした。「自分が学内サーバーで使うために書いたもの」で、特に世に出すつもりはありませんでした。

ある先輩から「面白いね、公開してみたら?」と言われて、半信半疑で push しました。README に「自分の研究室で画像処理のために作った」と書きました。

数日後、見知らぬ海外のユーザーから Issue が届きました。「このスクリプトを使わせてもらった。ありがとう。1 つ提案があるんだけど」。

私は驚きました。世界のどこかの人が、私のスクリプトを使ってくれている。1 週間後、その人から Pull Request も届きました。「動画ファイルにも対応したよ」というコードでした。

私は丁寧にコードを読んで、感謝のメッセージを添えてマージしました。私のスクリプトが、初めて「複数人で作るもの」に変わった瞬間でした。

そのときに痛感したのは、「GitHub に置く」と「外の世界とつながる」のあいだに、距離はとても近い、ということです。自分のためのコードでも、誰かの役に立つかもしれません。コードを書いたら、まず GitHub に置いてみる——たったそれだけで、世界が少し変わります。

本コースで「GitHub の使い方」を 1 レッスン丁寧に扱うのは、皆さんにもこの感覚を持ち帰っていただきたいからです。public でも private でも、まず置いてみる。学習成果を、自分の歴史として残してみる。そこから道が広がります。

まとめ

このレッスンでは、以下のことを学びました。

  • GitHub アカウントは無料で作成可能。2 要素認証(2FA)が 2026 年 6 月時点で必須
  • リモートリポジトリの作成:GitHub の「New repository」から作成、公開/非公開を選択
  • 公開(Public)と非公開(Private)は無料アカウントで無制限に作成可能
  • git remote add origin URL:ローカルにリモートを登録
  • git push -u origin main:ローカルの commit をリモートに送る(初回 -u 付き)
  • git pull origin main:リモートの変更をローカルに取り込む(fetch + merge)
  • git fetch origin:リモートの情報だけを取得(merge はしない)
  • git clone URL:既存のリモートをローカルにコピー
  • README はリポジトリの「顔」。1 分で「何をするものか」がわかる構成を心がける
  • 認証方法:HTTPS + PAT、SSH、GitHub CLI、Windows なら Git Credential Manager
  • 公開リポジトリには絶対に秘密情報を含めない。一度 push した履歴は残る

次のレッスンでは、プルリクエストとコードレビューでチーム開発のリズムを掴みます。


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