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スキルアップカレッジ

働く人のメンタルヘルス入門

ウェルビーイング・健康 入門 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

メンタルヘルスは、いまや誰にとっても他人事ではありません。厚生労働省の調査では、仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスを感じる労働者は半数を超え、精神障害による労災請求件数も増加傾向にあります。それでも、「自分の心の状態をどう測るか」「ストレスにどう対処するか」「不調になったらどこに相談すればよいか」を体系的に学ぶ機会は、意外と少ないのが実情です。本コースは、働く個人が自分の心を扱う基礎を、専門家の知識と当事者経験の両方を交えて学べる構成にしました。会社や管理職向けの研修ではなく、皆さん一人ひとりが、ご自身のために読むテキストです。「相談すること」「休むこと」「治療を受けること」はすべて、自分を守るための能力であり、本コース全体でそのスタンスを貫きます。

学習の流れ

レッスン1で、メンタルヘルスの定義、4つのケア(セルフ・ライン・産業保健スタッフ・事業場外資源)の概観、本コースが「セルフケア」を中心に据える理由、本コースの守備範囲を整理します。レッスン2は「全体地図」として、ストレッサーとストレス反応の仕組み、ストレスチェック制度の意味、身体・心・行動のサインを扱います。レッスン3〜5は「自分を整える基本」、セルフモニタリング・コーピング・生活習慣(睡眠・運動・食事)を学びます。レッスン6で認知と感情の扱い方、レッスン7で周囲のリソースと相談の仕方、レッスン8で不調・休職・復職・回復のプロセスとコース修了後の学習方向を扱います。前半(レッスン1〜2)は「考え方の土台」、中盤(レッスン3〜5)は「日常のセルフケア」、後半(レッスン6〜7)は「思考・感情・人とのつながり」、終盤(レッスン8)は「不調と回復、これから」という四段構えです。

このコースで学べること

  • メンタルヘルスを「病気の有無」ではなく状態の連続体として捉えられる
  • ストレッサーとストレス反応の違いを理解し、自分のサインに気づける
  • セルフモニタリング(身体・心・行動)を日常に取り入れられる
  • 効果のあるコーピング(問題焦点・情動焦点)の基本を実践できる
  • 睡眠・運動・食事がメンタルに与える影響を理解し、続けられる工夫を持てる
  • 認知の歪みに気づき、リフレーミングや感情の受容を試せる
  • 周囲のリソース(産業医・カウンセラー・主治医・相談機関)の役割と利用の仕方がわかる
  • 主要疾患の概要・休職/復職制度・配慮要請の基本を理解する

対象者

「最近疲れがとれない」「気分が落ちる」と感じている社会人。ストレスや不調を体系的に理解したい方。過去にメンタル不調を経験した、または家族・同僚が経験している方。中堅以上で後輩の相談を受ける機会が増えてきた方。雇用形態(会社員・契約社員・派遣・公務員・自営など)を問わず、現在働いている、または今後働く予定のすべての個人。予防として読みたい方も対象

レッスン一覧

  1. 1

    メンタルヘルスとは何か——働く人にとっての「心の健康」

    WHO による健康の定義、メンタルヘルスは病気の有無だけではない、4つのケアの概観、セルフケアが本コースの中心、状態の連続体、本コースの守備範囲を学ぶ

  2. 2

    ストレスの仕組み——何がストレスで何が反応か

    ストレッサー・ストレス反応・耐性のモデル、急性と慢性、ヤーキーズ・ドッドソンの法則、ストレスチェック制度の意味、身体・心・行動のサインを学ぶ

  3. 3

    自分の状態を知る——セルフモニタリングと早期発見

    ボディスキャン、感情ラベリング、思考のキャッチ、睡眠・食欲・集中力・興味の変化、「2週間」「いつもより」の観察軸、K6 などのセルフチェック、記録の力を学ぶ

  4. 4

    セルフケアの基本——効果のあるコーピング

    コーピングの分類(問題焦点・情動焦点)、呼吸法、漸進的筋弛緩法、マインドフルネスの基本、行動活性化、逆効果な対処、レパートリーを増やす発想を学ぶ

  5. 5

    生活習慣で心を整える——睡眠・運動・食事

    睡眠の量と質・入眠儀式・ブルーライト・社会的時差ぼけ、有酸素運動とメンタル、食事と腸内環境、飲酒・カフェイン・喫煙の影響、続けられる工夫を学ぶ

  6. 6

    認知と感情の扱い方——思考のクセに気づく

    自動思考と認知の歪み、認知行動療法の基本、リフレーミング、感情のラベリングと受容、マインドフルネス・ACT の基本、怒り・不安・反芻の扱いを学ぶ

  7. 7

    助けを求める力——周囲のリソースと相談の仕方

    相談先の階層(同僚・家族・上司・産業医・産業保健師・カウンセラー・主治医・EAP・地域相談機関)、守秘義務、受診のタイミング、受診時の準備を学ぶ

  8. 8

    不調と回復——休職・復職・キャリア継続の付き合い方

    主要疾患の概要、休職制度(傷病手当金・自立支援医療)、復職プロセスとリワーク、配慮要請、ラインケアの受け手としての立ち位置、コース修了後の学習方向を案内する

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(83語)
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(あくせぷたんすあんどこみっとめんとせらぴー)
ACT(アクト)と略される、認知行動療法の流れを汲む心理療法。望ましくない感情を消そうとせず受け入れたうえで、自分の大事にしたい価値に基づいて行動する発想を中核とする。米国の心理学者スティーブン・ヘイズらが開発した。
アンガーマネジメント(あんがーまねじめんと)
怒りの感情を理解し、適切に扱う技法。怒りのピークの最初の 6 秒を耐える「6 秒ルール」、怒りの奥にある一次感情(悲しみ・不安・疲労など)に気づくこと、怒り日記などが代表的な実践となる。
EAP(いーえいぴー)
Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)。社外の専門家による相談サービスを、企業が契約し従業員が無料・匿名で利用できる仕組み。仕事のストレス、人間関係、家庭の悩み、依存などに対応する。社内に利用情報は伝わらない。
入眠儀式
寝る前の 30 〜 60 分を、リラックスする一定のルーティンにすること。入浴・部屋を暗くする・スマホを見ない・軽い読書・ストレッチなどが含まれる。睡眠の質を上げる強力なテクニック。
医療機関
精神科・心療内科を中心に、メンタル不調の診断・治療を行う。精神科は心の症状、心療内科は心のストレスから来る身体症状を中心に扱うが、重なる部分が大きい。
うつ病
抑うつ気分、興味・喜びの喪失、食欲・睡眠の変化、疲労感、自己否定的な思考、集中力低下などが、ほぼ毎日 2 週間以上続く状態が代表的な症状。WHO によると世界で 2 億 8 千万人以上が罹患しているとされる。治療は薬物療法と心理療法(認知行動療法など)の組み合わせが一般的。