AIの仕組みを理解する
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コース概要
生成 AI が業務や日常に浸透するにつれて、「使い方」だけでは判断しきれない場面が増えてきました。モデルの選定、失敗時の切り分け、ベンダー説明の吟味、投資対効果の見立て——こうした意思決定には、AI が「なぜそう動くのか」の仕組みを、1 段深く理解しておくことが役に立ちます。本コースでは、AI の性能を「モデル・データ・計算資源」という 3 つの層で読み解く発想を軸に、ニューラルネットワークの系譜から Transformer、事前学習と Post-training、MoE・量子化・KV キャッシュまでを、非エンジニアと新人エンジニアの両方に届く言葉で解説します。数式は極力使わず、比喩と図解と具体例で「一段深い理解」を積み上げていきます。
学習の流れ
前半 3 レッスンで土台を固めます。レッスン 1 で「モデル・データ・計算資源」の 3 層フレームと本コースの守備範囲を提示し、レッスン 2 でパーセプトロンからディープラーニングまでのニューラルネットの系譜を、レッスン 3 で教師あり・教師なし・強化学習の 3 分類を扱います。中盤のレッスン 4 で「学習が進む原理」(損失関数・勾配降下・逆伝播)を、レッスン 5・6 で Transformer の中身(Self-Attention と QKV、トークン化と埋め込み空間)を学びます。後半のレッスン 7 で事前学習と Post-training(SFT・RLHF・DPO・Constitutional AI)の役割分担を、レッスン 8 で効率化と推論最適化(MoE・量子化・蒸留・KV キャッシュ・GPU / TPU)を扱い、最後にコース修了後の学び方向を示します。全 8 レッスン・約 200 分の構成です。
このコースで学べること
- ✓ AI の性能を「モデル・データ・計算資源」の 3 層に分解して評価できる
- ✓ パーセプトロンから Transformer までのニューラルネットの系譜を、時代背景とともに位置づけられる
- ✓ 教師あり・教師なし・強化学習の 3 分類と、事前学習で使われる自己教師あり学習の関係を説明できる
- ✓ 損失関数・勾配降下・逆伝播という「学習が進む原理」を、山下りの比喩で理解できる
- ✓ Transformer の Self-Attention と QKV の役割、Encoder / Decoder / Encoder-Decoder の 3 系統を区別できる
- ✓ トークナイザーと埋め込み空間の性質、事前学習と Post-training(SFT・RLHF・DPO・Constitutional AI)の役割分担を説明できる
- ✓ MoE・量子化・蒸留・KV キャッシュ・GPU / TPU といった効率化技術が実務に与える影響を理解できる
- ✓ 「仕組みを 1 段深く知る」ことでモデル選定・失敗の切り分け・ベンダー説明の解像度が上がる感覚を持てる
対象者
生成 AI 入門レベル(トークン・Transformer・ファインチューニング・RLHF の名前は聞いたことがある)を通過した、非エンジニアの企画・PM・営業・マネジメント・経営層と、AI を扱う新人エンジニアの両方を主軸。「使い方」ではなく「なぜそう動くのか」を、モデル・データ・計算資源の 3 層構造で読み解きたい方
講師紹介
藤井 涼介(ふじい りょうすけ)
AI エデュケーター/元 外資系テック リサーチエンジニア
情報系大学院で機械学習(ニューラルネットワーク/自然言語処理)の博士号を取得後、米系大手テック企業の東京 R&D 拠点にリサーチエンジニアとして入社。検索チームで学習ランキングと言語モデルの事前学習パイプラインを担当し、その後は社内向け大規模モデルのチューニングと本番運用側の機械学習エンジニアを兼務。在籍 8 年で自然言語処理と大規模モデル運用の両輪を経験した。2024 年に独立し、現在は AI 教育者として企業向け技術研修(管理職向け「AI の仕組みが 1 日でわかる」ワークショップ、エンジニア向け「LLM 内部の実装ハンズオン」など)を中心に活動している。信条は「非エンジニアが仕組みを 1 段深く理解できると、投資判断・失敗の切り分け・ベンダー説明の解像度が変わる」。難しい概念を数式ではなく比喩と図解で伝えるのを得意とする
受講される方へのメッセージ
「「AI の仕組み」と聞くと、数式や難解な論文を思い浮かべる方が多いかもしれません。本コースは、そうしたイメージをいったん脇に置き、モデル・データ・計算資源という 3 つの層で AI を読み解く発想を軸に、パーセプトロンから Transformer、事前学習と Post-training、MoE・量子化・KV キャッシュまで、非エンジニアの企画・PM・マネジメント層と、AI に関わる新人エンジニアの両方に届く言葉で 8 レッスンにまとめました。「使い方」ではなく「なぜそう動くのか」を、一緒に一段深く覗いていきましょう」
レッスン一覧
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1
AI の性能は 3 つの層で決まる——モデル・データ・計算資源
AI の性能を「モデル・データ・計算資源」の 3 層フレームで捉える。本コースの位置づけ(仕組み側の入門)と守備範囲、生成 AI の入門レベルで触れる内容を 8 レッスン規模で深堀りするロードマップ、仕組みを知る意義(投資判断・失敗の切り分け・ベンダー説明)を学ぶ
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2
ニューラルネットワークの系譜——パーセプトロンからディープラーニングへ
1 個のニューロン=パーセプトロン(Rosenblatt, 1958)、重みと活性化関数、XOR 問題と隠れ層、勾配消失問題と ReLU・残差接続、2012 年 AlexNet の衝撃、CNN・RNN・LSTM の位置づけ(Transformer 前史)を学ぶ
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3
学習の 3 分類——教師あり・教師なし・強化学習
教師あり学習(分類・回帰)、教師なし学習(クラスタリング・次元削減)、強化学習(AlphaGo)と報酬・方策の直観、半教師あり/自己教師あり学習の位置づけ、LLM の事前学習が自己教師あり学習である理由を学ぶ
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4
学習が進む原理——損失関数・勾配降下・逆伝播
損失関数の直観(間違いの物差し)、平均二乗誤差と交差エントロピー、勾配降下法の山下り比喩と学習率、ミニバッチ SGD と Adam の名前紹介、逆伝播を「誤差を後ろから配る」比喩で、過学習・汎化性能・Dropout を学ぶ
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5
Transformer の中身——Self-Attention と QKV
2017 年『Attention Is All You Need』(Vaswani et al., Google)、Self-Attention の直観、QKV(Query・Key・Value)を検索と情報取り出しの比喩で、softmax と内積を「見たことがあるレベル」で、Multi-Head Attention、位置エンコーディング、Encoder / Decoder / Encoder-Decoder の 3 系統(BERT / GPT / T5)を学ぶ
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6
トークンと埋め込み——BPE と意味のベクトル空間
トークナイザーの役割、Byte Pair Encoding(BPE)と SentencePiece、語彙サイズと日本語トークナイザの特殊事情、埋め込み(embedding)の空間、king − man + woman ≈ queen の直観(Word2Vec 的説明)、Transformer 入力側の token embedding + position embedding を学ぶ
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7
事前学習から Post-training へ——SFT・RLHF・DPO・Constitutional AI
事前学習= Next Token Prediction を自己教師あり学習として位置づけ、Chinchilla 則(Hoffmann et al., 2022)の直観、SFT(お手本で学ぶ)、RLHF(InstructGPT, Ouyang et al., 2022、好みで学ぶ)、DPO(Rafailov et al., 2023、RLHF 簡素化)、Constitutional AI(Bai et al., 2022, Anthropic、原則で学ぶ)、reasoning モデル内部(CoT の Post-training 内部化)を学ぶ
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8
効率化と推論最適化——MoE・量子化・蒸留・KV キャッシュ・GPU / TPU
なぜ効率化が必要か(コスト・レイテンシ・環境負荷)、MoE(Mixture of Experts、分業アーキテクチャ)、量子化(float32 → int8/int4)、蒸留(先生 → 生徒モデル)、KV キャッシュ(推論高速化の主役)、GPU と TPU、ハルシネーションを仕組み側から再解説、コース修了後の学び方向を学ぶ
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総復習テスト
全レッスンの内容を振り返るテスト
このコースの用語集(96語)
- アクティブパラメータ(あくてぃぶぱらめーた)
- MoE モデルで、1 トークンあたりの推論で実際に使われるパラメータの数。総パラメータより小さく、モデル容量と推論コストのトレードオフを緩和する。 → レッスン 8
- 汎化性能
- 学習に使っていない新しいデータでも予測が当たる能力。訓練データでの高精度ではなく、この汎化性能が実務で求められる。 → レッスン 4
- 活性化関数
- ニューロンの入力合計を「発火するかどうか」の出力に変換する関数。ReLU・シグモイド・tanh などがある。 → レッスン 2
- 過学習
- モデルが訓練データを「丸暗記」してしまい、新しいデータで性能が落ちる現象。訓練損失は下がるが検証損失が上がる形で現れる。 → レッスン 4
- 隠れ層
- ニューラルネットワークの入力層と出力層の間の中間層。多層パーセプトロン以降のモデルで、非線形な問題を扱えるようにする役割を持つ。 → レッスン 2
- 回帰
- 教師あり学習のタスクの 1 つで、入力から連続した数値を予測すること。不動産価格予測・売上予測などが代表例。 → レッスン 3