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スキルアップカレッジ

建設業のビジネス基礎

業種別実務 中級 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

日本の建設業界は、従業者数約 500 万人(全就業者の約 7 %)・GDP 約 5 %(約 32 兆円)・完成工事高約 60 兆円という圧倒的な規模を持ち、道路・鉄道・空港・港湾・上下水道・電力・ビル・住宅・工場のすべてを支える日本経済の基幹産業です。にもかかわらず、業界外の方には「制度」「階層」「用語」がわかりにくい世界です。本コースは、建設業(ゼネコン・サブコン・専門工事業・住宅メーカー・リフォーム・資材業)に転職・配属された事務系・営業・人事・経理・経営企画の担当者と、建設クライアントを担当するコンサル・SIer・広告代理店・金融・不動産・編集者の両方を主軸に、建設業界を「業界として読み解く眼鏡」を 8 レッスンで提供します。3 大分類(土木・建築・設備)と 3 大機能(設計・施工・維持管理)、業態別のビジネスモデル、建設業法と業許可制度、ゼネコン階層と重層下請、公共工事と民間工事、建設業会計、2024 年問題と労働環境、BIM/CIM と建設 DX まで扱います。

学習の流れ

レッスン 1 で建設業界の現在地・3 大分類・本コースの 3 視点(転職者/担当者/提案者)を共有します。レッスン 2 で「建設業界の全体地図」としてバリューチェーンと業態別ビジネスモデル、品質・安全・工期・コストのクワドリレンマ、業種横断の典型組織を扱います。レッスン 3 で建設業法と業許可制度(業界の基準線)を扱い、レッスン 4 でゼネコン階層と重層下請、レッスン 5 で公共工事と民間工事の発注構造を扱います。レッスン 6 で建設業会計と工事進行基準、レッスン 7 で建設 2024 年問題と労働環境を扱います。レッスン 8 で BIM/CIM ・ i-Construction ・建設 SaaS ・建設 AI と修了後の継続学習方向を扱って締めくくります。建設現場経験がない方が、「業界外から内に入ったとき」または「業界外から接するとき」に立ち止まらないための土台を作るコースとして設計しています。

このコースで学べること

  • 建設業の 3 大分類(土木・建築・設備)と 3 大機能(設計・施工・維持管理)を地図化できる
  • 建設業のバリューチェーンと業態別ビジネスモデルを読み解ける
  • 建設業法と建設業許可 29 業種、一般 vs 特定、経営事項審査(経審)、監理技術者・主任技術者の意味を理解する
  • ゼネコン階層(スーパー 5・準大手・中堅・地場工務店)、サブコン、専門工事業、下請 3 階層構造を把握する
  • 公共工事の入札制度(一般競争・指名競争・随意契約・総合評価落札方式)と民間工事の発注構造を理解する
  • 建設業会計(工事進行基準・工事完成基準・未成工事支出金/受入金・工事台帳)と業界主要 KPI を計算・評価できる
  • 建設 2024 年問題(時間外労働上限規制)、労働人口の高齢化、外国人技能実習・特定技能への対応を把握する
  • BIM/CIM・i-Construction・建設 SaaS・建設 AI ・脱炭素など、2026 年時点の建設業界トレンドを把握し、修了後の継続学習方向を持てる

対象者

建設業(ゼネコン・サブコン・専門工事業・住宅メーカー・リフォーム・資材業)に転職・配属された事務系・営業・HR・人事・経理・経営企画担当者と、建設クライアントを担当するコンサル・SIer・広告代理店・金融・不動産・編集者を両方主軸。建設現場経験はないが「業界としての建設業を読み解きたい」社会人 3 年目以上を対象。建設業に向けた提案・営業を行う方も含む。土木・建築・設備の 3 大分類を業種横断で扱う

講師紹介

立花 恵理子(たちばな えりこ)

建設業専門コンサルタント/元 大手ゼネコン建築事業本部/元 国土交通省出向/元 大手建設業界コンサル

東京大学工学部建築学科卒業後、スーパーゼネコン(鹿島建設/大成建設/清水建設/大林組/竹中工務店類似想定)に新卒入社し 12 年(建築現場監督 4 年で超高層オフィスビル・大規模再開発・工場プラント建設に従事、本社事業企画部 4 年で大手デベロッパー案件の受注戦略・M&A / アライアンス・海外事業を担当、途中で国土交通省への出向 1 年で総合政策局にて建設市場整備・建設 DX 推進政策の内側を経験、事業企画部復帰後は経審対策と経営統合検討を主導)。建設現場と本社と監督官庁の 3 つの視座を若手のうちに獲得した稀少な人材。2014 年に大手建設業界コンサルティング会社(KPMG コンサルティング/PwC コンサルティング/デロイト トーマツ/EY /ボスコン建設業チーム類似想定)へ転じて 5 年(中堅ゼネコン経営改善・住宅メーカー DX 支援・建設業許可コンサル・M&A / 事業承継支援・BIM 導入支援・経営事項審査対策を年 8 〜 12 社主導)。2020 年に独立、現在は建設業界で 50 社超のコンサル経験を持つ建設業専門コンサルタントとして年間 15 社の顧問・支援を継続。建設 DX / 2024 年問題対応 / 経審対策 / 事業承継 M&A が主戦場。並行してグロービス経営大学院で MBA 取得。スタンス:「建設業は『制度』『階層』『時間』の 3 軸で捉える」「重層下請は日本の建設業を支える生態系であり、同時に最大の改革課題」「建設 2024 年問題は労働環境改善の起点」「建設 DX は業務効率化ではなく、若年層の建設業回帰の鍵」「経審がすべての公共工事の入札票」「BIM/CIM は図面ではなく、建設のデータ基盤」「土木・建築・設備は違う言語を話す 3 つの国」「建設業のことば(許可・経審・重層下請・工事進行基準・BIM)を翻訳できる人が重宝される」

受講される方へのメッセージ

「「建設クライアントを担当することになりました」「ゼネコンに転職したのですが、業界の言語がわかりません」「住宅メーカーから設備工事会社に社内異動になりました、同じ建設のはずなのに全く違う世界です」——独立してから、この 6 年で最もよく受けてきた相談です。日本の建設業界は、従業者数約 500 万人(全就業者の約 7 %)・GDP 約 5 %(約 32 兆円)・完成工事高約 60 兆円という圧倒的な規模を持ちながら、業界外の方には「制度」「階層」「用語」がわかりにくい世界です。建設業許可、経審、監理技術者、一般 vs 特定、下請 3 階層、一人親方、工事進行基準、未成工事支出金、CCUS、BIM / CIM / i-Construction ——これらが当たり前に飛び交う会議で、何が議論されているかを理解できるかどうかは、転職者にとっても担当者にとっても提案者にとっても、最初の半年の関わり方を大きく左右します。本コースは、スーパーゼネコン事業本部 12 年・国交省出向・建設コンサル 5 年、独立後 50 社超の支援で見えてきた「建設業界を読み解く眼鏡」を、業界外の方に向けて 8 レッスンで届けます。土木・建築・設備は「違う言語を話す 3 つの国」ですが、共通する 3 大機能(設計・施工・維持管理)と、共通する土台(建設業法と経審)を押さえれば、俯瞰から読み解けるようになります。「制度・階層・時間の 3 軸で捉える発想」を、本コースで身につけていきましょう。」

レッスン一覧

  1. 1

    建設業の現在地と本コースの守備範囲

    建設業の定義と 3 大分類(土木・建築・設備)、日本経済での位置(GDP 約 5 %・完成工事高約 60 兆円・従業者約 500 万人)、3 大機能(設計・施工・維持管理)、業界を取り巻く 4 構造変化(人口減/2024 年問題/DX /脱炭素)、本コースの守備範囲(転職者・担当者・提案者の 3 視点)、建設業の 3 共通言語(制度・階層・時間)、業界のことば(許可・経審・重層下請・工事進行基準・BIM)が翻訳できる価値を学ぶ

  2. 2

    建設業のバリューチェーンと業態別ビジネスモデル——設計・施工・維持管理

    Michael Porter バリューチェーンの建設業版、5 領域収益モデル比較(ゼネコン=完成工事高・粗利、サブコン=設備工事、住宅メーカー=戸建・請負、リフォーム=改修受注、資材=原材料)、「品質・安全・工期・コストのクワドリレンマ」、建設業の典型組織(現場・営業・設計・積算・調達・工務・技術・安全)、6 業態の主要 KPI 比較を学ぶ

  3. 3

    建設業法と業許可制度——29 業種・元請下請・技術者制度

    建設業法(1949 年制定)の 3 本柱(下請保護・技術者制度・元請責任)、建設業許可の 29 業種(土木一式・建築一式・27 専門工事業)、一般 vs 特定建設業(下請発注 4,500 万円ライン)、5 年更新と欠格要件、監理技術者・主任技術者、経営事項審査(経審)と X1 / X2 / Y / Z / W の 5 評点、公共工事入札の総合評価落札方式、下請 3 階層構造と一人親方、労災保険特別加入、雇用保険を学ぶ

  4. 4

    ゼネコン・サブコン・専門工事業の階層——スーパー 5 から地場まで

    ゼネコン階層(スーパー 5:鹿島建設・大成建設・清水建設・大林組・竹中工務店/準大手:前田・戸田・熊谷・西松・五洋・東急建設・フジタ・安藤ハザマ/中堅/地場工務店)、収益構造と主要 KPI(完成工事高・完成工事総利益率・営業利益率・受注残高)、サブコン(電気工事:きんでん・関電工・九電工/空調衛生:高砂熱学・新菱冷熱・三機工業/通信:コムシス・協和エクシオ)、専門工事業(鳶土工・鉄筋・型枠・左官・塗装・内装)、JV(ジョイントベンチャー)3 形態、業界再編(インフロニア HD 2021 年 10 月経営統合)、建設業経営者の高齢化と事業承継を学ぶ

  5. 5

    公共工事と民間工事——入札制度・発注者・PPP / PFI

    公共工事(国交省・国土整備・自治体・NEXCO・鉄道・港湾)、入札方式(一般競争・指名競争・随意契約・総合評価落札方式・技術提案方式)、予定価格制度、公共工事品確法 2005 年施行 / 2014 年改正、最低制限価格制度、民間工事(デベロッパー:三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産・東急不動産・森ビル)、ハウスメーカー(積水ハウス・大和ハウス・住友林業・パナソニックホームズ・積水化学・ミサワホーム・タマホーム)、リフォーム市場約 7 兆円、DB(Design-Build)・VE 提案、PPP / PFI(民間資金活用)、指定管理者制度を学ぶ

  6. 6

    建設業会計と工事進行基準——原価・KPI ・IFRS 15

    建設業会計の特有性、工事進行基準と工事完成基準、IFRS 15(Revenue from Contracts with Customers、2018 年 1 月発効)と収益認識に関する会計基準(2021 年 4 月適用)、工事台帳と原価管理、未成工事支出金・未成工事受入金の B/S 表示、材料費・労務費・外注費・経費の 4 分類、間接工事費と一般管理費、粗利率と営業利益率のベンチマーク(ゼネコン 5 〜 10 %/住宅メーカー 8 〜 12 %)、赤字工事の発生メカニズムと引当金、建設業経理士(1 〜 4 級)を学ぶ

  7. 7

    建設 2024 年問題と労働環境——時間外規制・週休 2 日・外国人労働

    建設 2024 年問題(2024 年 4 月時間外労働上限規制適用、年 720 時間・月 100 時間未満・複数月平均 80 時間)、これに伴う 4 週 8 閉所と週休 2 日制、労働人口の高齢化(60 歳以上比率約 20 %、10 年後の担い手不足)、労働安全衛生法・重層下請ゆえの労災の複雑さ、外国人材(技能実習・特定技能 1 号 12 職種/2 号 2019 年制度化)、建設業界の DX 人材・現場監督・施工管理技士(1 級 ・ 2 級)の役割変化、女性活躍と現場環境改善、建設キャリアアップシステム(CCUS、2019 年 4 月本格運用開始)を学ぶ

  8. 8

    建設 DX と業界の未来——BIM/CIM ・ i-Construction ・建設 AI ・修了後の継続学習

    BIM(Building Information Modeling)と CIM(Construction Information Modeling)、国交省 i-Construction(2016 年〜、3 大取り組み ICT 施工・全体最適化・施工時期の平準化)、建設 DX の 3 レイヤー(現場端末/施工管理/経営)、代表的 SaaS(ANDPAD・SPIDERPLUS・Photoruction・Kanamic・助太刀・CAREECON)、建設 AI ユースケース(外観検査・積算・工程最適化・安全監視)、ドローン測量・3D スキャナ・遠隔臨場、CO2 排出と GX(脱炭素)、建設テック VC 投資動向、修了後の継続学習方向(国交省統計・建設経済研究所レポート・日刊建設工業新聞・日経コンストラクション・建通新聞)を学ぶ

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(122語)
安藤ハザマ
準大手ゼネコンの 1 社。旧・安藤建設と間組(ハザマ)が 2013 年に経営統合。土木・建築の両面で実績。
一次下請
元請から直接工事を請ける下請会社。専門工事業(電気・鉄筋・型枠・とび土工など)が中心。下請 3 階層構造の 1 段目。
一人親方
法人化しない個人事業主。労働基準法上は労働者ではないが、実質的に労働者と同じ危険にさらされるため、労災保険の特別加入制度で保護される。2024 年時点で建設業に約 30 万人。
一般競争入札
公共工事の入札方式の 1 つ。資格を満たすすべての業者が参加でき、予定価格以下の最低価格を提示した業者が落札するのが原則。透明性が高いが、低価格入札 / ダンピング競争のリスクあり。
一般建設業
建設業許可の区分の 1 つ。一次下請への発注総額が 4,500 万円未満(建築一式は 7,000 万円未満)の元請、または元請から下請を受ける会社。特定建設業と対をなす。
インフロニア・ホールディングス(いんふろにあ・ほーるでぃんぐす)
2021 年 10 月 1 日、前田建設工業(総合建設業)・前田道路(舗装)・前田製作所(建設機械)の 3 社経営統合で発足した持株会社。インフラ系総合オペレーターを目指す構図。