用語集
スタートアップ起業入門コースで使われる主要な用語(118語)をまとめています。
- アクセラレーター(あくせられーたー)
- 3 〜 6 ヶ月の短期集中プログラムで、創業期のスタートアップに少額投資と引き換えにメンタリング、ネットワーク提供、デモデーでの投資家紹介を行う組織。Y Combinator、Onlab、サイバーエージェント・キャピタル、Plug and Play などが代表的。
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- エンジェル投資家 (えんじぇるとうしか)
- 個人の資産を直接スタートアップに投資する個人投資家。過去に創業経験のある経営者、大企業の元役員、富裕層が中心。1 件あたり 100 万円〜 1,000 万円規模が一般的。
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- 株主間契約 (かぶぬしかんけいやく)
- 株主同士の関係と権利義務を定めた契約。投資契約書とは別に結ばれ、取締役選任権、Reserved Matters、Drag Along、Tag Along、優先引受権、情報請求権などを規定する。
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- 経営者コミュニティ (けいえいしゃこみゅにてぃ)
- YPO(Young Presidents' Organization)、EO(Entrepreneurs' Organization)など、創業者・経営者が集う組織。創業者の孤独への対処の中核的な仕組み。
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- コンバーティブル証券(こんばーてぃぶるしょうけん)
- 出資時点では株式を発行せず、後の調達ラウンドで株式に転換する仕組みの証券。SAFE、J-KISS、コンバーティブルノートなどがある。
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- シリーズ A(しりーず えー)
- PMF への接近が確認され、本格的な事業拡大に向かう段階の調達。日本では調達総額 3 億円〜 15 億円、評価額 10 億円〜 50 億円が一般的レンジ。
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- スタートアップ(すたーとあっぷ)
- 急成長を前提に設計された会社。エクイティ・ファイナンスと出口(IPO や M&A)を前提とする事業形態で、スモールビジネスと区別される。Paul Graham は「Startup = Growth」と定義。
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- 税制適格 SO(ぜいせいてきかく えすおー)
- 租税特別措置法第 29 条の 2 の要件を満たすストックオプション。行使時の課税が繰り延べられ、株式売却時に譲渡所得(約 20 %)として課税される。2024 年改正で年間行使価額上限が大幅引き上げ。
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- 創業者交代 (そうぎょうしゃこうたい)
- 創業者が CEO のままで会社を成長させる選択もあれば、ある段階で CEO を後任に譲り、Chairman や Founder として残る選択もある。組織拡大、専門スキル要求、健康/戦略事情の 3 つのタイミングで議論される。
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- ダイリューション(だいりゅーしょん)
- 株式希薄化。新規株式の発行により、既存株主の持株比率が低下する現象。Dilution の日本語表記。創業者の比率は調達ラウンドごとに低下し、IPO 時には 20〜30 % が一般的。
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- 単独創業 (たんどくそうぎょう)
- 共同創業者を持たず、1 人で創業すること。Solo Founder と呼ばれる。Y Combinator のデータでは、共同創業者がいるチームのほうが生存率と成長率が高い傾向がある。
- → レッスン4
- デューデリジェンス(でゅーでりじぇんす)
- 適正評価手続き。投資や M&A の前に、財務、法務、ビジネス、技術、人事などの観点で詳細調査を行うこと。DD と略される。シード期で 1 〜 3 ヶ月、M&A で数ヶ月かかる。
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- 取締役会 (とりしまりやくかい)
- 会社の業務執行の意思決定機関。シリーズ A 直後は 3 〜 5 名、シリーズ B 以降で 5 〜 7 名と拡大。投資家取締役、社外取締役の招聘が標準化する。
- → レッスン6
- 年間行使価額 (ねんかんこうしかがく)
- 税制適格 SO で、社員が 1 年間に行使できる SO の権利行使価額の合計の上限。2024 年改正で、設立から一定期間内のスタートアップは年間 2,400 万円〜 3,600 万円まで引き上げ。
- → レッスン4
- バーンレート(ばーんれーと)
- スタートアップが月単位で失う現金の額。「燃やすレート」の直訳で、創業期の赤字フェーズで毎月どれだけ現金が減るかを表す。グロスバーンとネットバーンの 2 種類がある。
- → レッスン7
- ピボット(ぴぼっと)
- 事業の方向転換。Lean Startup の発想では「失敗」ではなく「学習の結果としての方向転換」と位置づけられる。Eric Ries は 10 のパターンに整理した。
- → レッスン2
- プロダクト・マーケット・フィット(ぷろだくと まーけっと ふぃっと)
- PMF の正式名称。製品と市場の適合状態を指し、Marc Andreessen が 2007 年に概念化した。Sean Ellis Test の 40 % が判断指標の一つ。
- → レッスン2
- ユニット・エコノミクス (ゆにっと えこのみくす)
- 顧客 1 人あたりの経済性を示す指標群。CAC、LTV、LTV/CAC、Payback Period の 4 指標で、SaaS の事業健全性を判断する。
- → レッスン7
- 優先引受権 (ゆうせんひきうけけん)
- 次回ラウンドで投資家が現比率を維持するため、新規発行株式の引き受けに参加できる権利。Pre-emptive Right または Pro-rata Right。
- → レッスン6
- 優先分配権 (ゆうせんぶんぱいけん)
- 会社の売却・清算時に、優先株主が普通株主より先に出資額を回収する権利。Liquidation Preference の日本語表記。「1x ノンパーティシペーティング」が業界標準。
- → レッスン6
- ランウェイ(らんうぇい)
- 現在の手元現金が、現在のネットバーンで何ヶ月続くかを示す数字。「滑走路の長さ」の意で、次の調達までの時間的余裕を表す。シード期 12 〜 18 ヶ月、シリーズ A 以降 18 〜 24 ヶ月が標準。
- → レッスン7
- リーンスタートアップ(りーんすたーとあっぷ)
- Eric Ries が 2011 年に体系化した、仮説検証ベースの事業開発手法。Build-Measure-Learn のサイクルが中核で、MVP による高速検証を行う。
- → レッスン2
- 連続起業家 (れんぞくきぎょうか)
- 複数の会社を順に創業する起業家。Serial Entrepreneur の日本語表記。Paul Gompers らの 2010 年の研究で、過去の成功者の次の事業の成功率は初回より高く、失敗者も初回創業者と同等以上の成功率を持つことが示された。
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- ADKAR
- Jeff Hiatt が 2003 年に提唱した変革管理モデル。Awareness(認識)、Desire(願望)、Knowledge(知識)、Ability(能力)、Reinforcement(強化)の 5 段階。本コースでは創業初期の組織変革の文脈で参照。
- → レッスン4
- ARR
- Annual Recurring Revenue(年次経常収益)。MRR を 12 倍した数字で、年間ベースの継続収益。SaaS のバリュエーションは ARR を基準に語られることが多い。
- → レッスン7
- Anti-dilution
- 希薄化防止条項。後のラウンドが現ラウンドより低いバリュエーションになった場合、優先株主の比率を一定程度守る条項。Broad-based Weighted Average が業界標準。
- → レッスン6
- Build-Measure-Learn
- Lean Startup の中核となる検証サイクル。仮説を最小限のコストで検証するために、製品の小さな版を作り(Build)、顧客の反応を測り(Measure)、結果から学んで仮説を更新する(Learn)。
- → レッスン2
- CAC
- Customer Acquisition Cost(顧客獲得コスト)。新規顧客 1 件を獲得するためにかかった費用。広告、営業人件費、マーケティング費の合計÷新規獲得顧客数で計算する。
- → レッスン7
- Customer Discovery
- Steve Blank が 2003 年に体系化した顧客発見プロセス。創業者自身が想定顧客と直接対話して、痛みの存在と深さを確かめる手法。「Get out of the building」がスローガン。
- → レッスン2
- DCF
- Discounted Cash Flow(割引キャッシュフロー法)。将来生み出すキャッシュフローを現在価値に割り引いて合計するバリュエーション手法。スタートアップではレイトステージ中心。
- → レッスン6
- Eric Ries
- 『The Lean Startup』(2011 年)の著者。Build-Measure-Learn サイクルと MVP の発想を体系化し、リーン・スタートアップ運動を起こした。
- → レッスン2
- Founder/Market Fit
- Andy Rachleff が提唱した、創業者と市場の適合性の概念。「あの市場をやりたい」ではなく「自分はあの市場のことを誰よりも知っている」と言える状態。
- → レッスン4
- GRR
- Gross Revenue Retention(既存顧客総収益保持率)。アップセルを除いた純粋な維持率で、100 % が上限。NRR との差がアップセル・クロスセルの貢献度を示す。
- → レッスン7
- IPO
- Initial Public Offering(新規株式公開)。株式を証券取引所に上場し、一般投資家に売却できるようにすること。日本のスタートアップはほぼ全てグロース市場で初回上場。
- → レッスン8
- J-KISS
- Coral Capital が 2016 年に発表した、SAFE の日本版コンバーティブル証券のテンプレート。シリーズ A など所定の調達ラウンドで自動転換する。日本のシード期で広く使われる。
- → レッスン5
- Jobs to be Done
- Clayton Christensen が 2003 年に発表し、2016 年の『Competing Against Luck』で体系化したフレームワーク。「顧客は製品を買うのではなく、自分のジョブを達成するために製品を雇う」という中核命題。
- → レッスン2
- Marc Andreessen
- Netscape 創業者で Andreessen Horowitz(a16z)共同創業者。2007 年のブログ「The only thing that matters」で PMF の概念を提示。
- → レッスン2
- MVP
- Minimum Viable Product(実用最小限の製品)。顧客の検証に必要な最小限の機能だけを持った製品で、Lean Startup の中核概念。ランディングページ、コンシェルジュ、Wizard of Oz、単機能の 4 形式が代表的。
- → レッスン2
- NRR
- Net Revenue Retention(既存顧客純収益保持率)。既存顧客からの収益が、解約とアップセル・クロスセルを含めてどの程度維持されたかを示す。PMF 後の SaaS では 120 % 以上が高評価。
- → レッスン7
- Paul Graham
- Y Combinator の共同創業者。2012 年のエッセイ「Startup = Growth」で、スタートアップを「急成長するように設計された会社」と定義した。
- → レッスン1
- PE ファンド(ぴーいーふぁんど)
- Private Equity Fund(プライベート・エクイティ・ファンド)。未上場の成熟企業を主たる投資対象とするファンド。スタートアップ M&A の買い手の一形態。
- → レッスン8
- Reid Hoffman
- LinkedIn の共同創業者。『The Start-Up of You』(2012 年)で「Tribe」と「Networked Intelligence」の発想を提示。
- → レッスン4
- Reserved Matters
- 重要事項の同意権。特定の重要決定(年度予算、追加調達、M&A、CEO 解任など)に対して、優先株主の事前同意を要する規定。創業者の経営自由度に最も影響する条項。
- → レッスン6
- Rule of 40
- SaaS スタートアップの健全性を 1 つの数字で評価する指標。成長率(前年比)+利益率(営業利益率や EBITDA 利益率)が 40 % を超えれば健全。Brad Feld らが 2015 年頃から広めた。
- → レッスン7
- SAFE
- Simple Agreement for Future Equity。Y Combinator が 2013 年に発表したコンバーティブル証券の枠組み。バリュエーションを後送りにし、シード期の交渉コストを削減できる。
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- SaaS
- Software as a Service(定期課金型ソフトウェア)。スタートアップで広く採用されるビジネスモデル。MRR、ARR、NRR、Churn などの独自 KPI 体系を持つ。
- → レッスン7
- Sean Ellis Test
- PMF の判断指標の一つ。顧客に「もしこの製品が今後使えなくなったら、どう感じますか」と尋ね、「非常に残念」が 40 % 以上を PMF の目安とする。
- → レッスン2
- Steve Blank
- Customer Discovery プロセスを 2003 年の『The Four Steps to the Epiphany』で体系化した。「Get out of the building」のスローガンで知られる。
- → レッスン2
- TAM/SAM/SOM
- 市場規模を整理する 3 つの層。TAM(Total Addressable Market、総獲得可能市場)、SAM(Serviceable Available Market、サービス提供可能市場)、SOM(Serviceable Obtainable Market、獲得可能市場)。
- → レッスン2
- Team/Mission Fit
- 共同創業者と初期社員のチーム全体が、会社のミッションに対してフィットしているかを問う概念。Founder/Market Fit と並んで PMF に先行する 2 つの土台。
- → レッスン4
- Tribe
- Reid Hoffman が『The Start-Up of You』で提示した、創業者を支える生涯にわたる関係性。共同創業者を含み、メンター、過去の同僚、業界の友人、家族などが重なる輪。
- → レッスン4
- Weighted Average
- 希薄化防止条項の一方式。後ラウンドのバリュエーション、出資額、既発行株式数の加重平均で優先株主の保護を行う。Broad-based(広範囲、業界標準)と Narrow-based(狭範囲)の 2 種類。
- → レッスン6
- Y Combinator
- 2005 年にポール・グレアムらが創業した米国アクセラレーター。Airbnb、Stripe、Dropbox、Twitch などを輩出。SAFE の枠組みを 2013 年に発表した。
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