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スキルアップカレッジ

スタートアップ起業入門

経営者・起業家 中級 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

スタートアップ起業は、特別な人だけのものではありません。一方で、会社員の働き方や中小企業の経営とは「別の生き物」として、独自の判断軸と仕組みを必要とします。本コースは、これから創業する方、創業して 1 年以内の方、副業から本格起業を見据えている方を主軸に、スタートアップ起業の入口に立つために必要な 8 レッスンを構成しました。スタートアップの定義と全体像、アイデア検証と PMF、法人設立と創業者間契約、初期チームの作り方、シード〜シリーズ A 以降の資金調達とガバナンス、バーンレートと KPI 管理、出口戦略とピボット・撤退、創業者の継続学習までを扱います。

学習の流れ

レッスン 1 でスタートアップとスモールビジネスの違い、エコシステムの全体地図、創業者の役割を整理します。レッスン 2 で「事業の前」の検証を扱い、Lean Startup と PMF の原理を学びます。レッスン 3 では「事業の入口」として法人設立と創業者間契約、ベスティングを扱います。レッスン 4 で初期チームの作り方を扱い、共同創業者と最初の 10 人をどう選びどう報いるかの判断軸を作ります。レッスン 5・6 で資金調達を 2 段階に分け、シード期の選択肢と SAFE・J-KISS・タームシート、シリーズ A 以降のガバナンスと投資家保護条項を順に学びます。レッスン 7 でバーンレートとランウェイ、ユニット・エコノミクス、Rule of 40 などスタートアップの数字管理を扱います。レッスン 8 で出口戦略とピボット・撤退、創業者の孤独と継続学習を扱い、創業の長距離走を続けるための土台を作ります。完成形の経営者を目指すコースではなく、最初の数年を生き延びるための判断軸を作るコースとして設計しています。

このコースで学べること

  • スタートアップとスモールビジネスの違いを理解し、自分の事業がどちらに当たるかを判断できる
  • Lean Startup と PMF の原理に沿って、アイデアを顧客検証のサイクルに乗せられる
  • 株式会社と合同会社の違い、創業者間契約とベスティングの意味を理解し、創業の手続きを進められる
  • 共同創業者と初期社員 10 人をどう選び、どう報いるかの判断軸を持てる
  • シード期の資金調達手段を選び、SAFE・J-KISS・優先株式・タームシートの主要条項を読める
  • シリーズ A 以降のガバナンスと主要な投資家保護条項を理解し、投資家と対等に話せる
  • バーンレート・ランウェイ・ユニット・エコノミクス・Rule of 40 など、スタートアップの数字を管理できる
  • 出口戦略(IPO・M&A・継続経営)、ピボットと撤退の判断軸、創業者の孤独と継続のための仕組みを設計できる

対象者

「これから創業する」または「創業して 1 年以内」の創業者・予定者を主軸とする。事業会社で起業を検討中の方、副業から本格起業を見据えている方、共同創業を考えている方、すでに法人を設立して立ち上げ初期の方、社内起業家として将来の独立を視野に入れる方を含む。業種を問わず、テクノロジー系・サービス系・モノ作り系のいずれの創業者にも有効。経営企画やコーポレート部門で創業者を支える立場の方が、創業者の景色を理解する目的でも受講できる

講師紹介

矢野 慎一郎(やの しんいちろう)

ベンチャーキャピタル ジェネラルパートナー/元 連続起業家(2 社創業)

慶應義塾大学経済学部卒業後、大手総合商社の事業開発部に新卒入社し 6 年(新規投資領域・事業会社支援・海外駐在 1 年)。1999 年に同期 2 名と IT スタートアップを共同創業(1 社目、EC 周辺サービス、2002 年に同業大手へバイアウト)。2003 年に 2 社目を単独創業(ヘルスケア SaaS、2008 年に事業中断と清算、上場準備直前のピボット失敗を経験)。2009 年から大手 IT 企業の経営企画部で 4 年(M&A 戦略・新規事業評価・投資先管理)。2013 年に独立系 VC のベンチャーパートナーとして参画、2017 年からジェネラルパートナー。累計投資先 60 社超、うちシードからシリーズ A 以上に進めた企業 40 社、エグジット 8 社(IPO 3 社、M&A 5 社)。スタンス:「創業者はビジョン・資金・採用・PMF の 4 つでしか戦えない」「スタートアップは大企業の縮小版ではなく、別の生き物として設計する」「自分の失敗を 1 つ持っていることが創業者として一番の財産になる」「資金調達はゴールではなくスタート、しかも一番つらいスタート」「創業者間契約とベスティングは、共同創業者を信じているからこそ結ぶもの」「孤独は健康問題、対処を仕組み化する」

受講される方へのメッセージ

「私は 1999 年に最初の会社を共同創業し、2008 年に 2 社目で事業を畳みました。バイアウトの喜びと、清算手続きで弁護士事務所に通った半年間の両方を経験しています。その後 VC 側に回って 13 年、累計 60 社以上の創業者と毎月の取締役会で議論を重ねてきました。創業者として 9 年、投資家として 13 年の合計 22 年で見えてきたのは、「創業の最初の 1〜2 年で立ち止まる論点は、毎回ほぼ同じである」という事実です。アイデアは検証されているのか。共同創業者との持株比率は妥当か。資本政策は将来を圧迫しないか。バーンレートはこのままで何ヶ月持つのか。ピボットすべきか踏みとどまるべきか。本コースは、私が VC として「もっと早く知っていれば」と感じた論点を、創業前〜創業 1 年目の方に向けて 8 レッスンに整理しました。創業は孤独な意思決定の連続ですが、判断軸は学べます。本コースが、最初の数年を生き延びる助けになれば幸いです。」

レッスン一覧

  1. 1

    スタートアップとは何か——本コースの守備範囲と「会社員から創業者になる」とき

    スタートアップとスモールビジネスの違い(成長前提・PMF・出口)、スタートアップ・エコシステムの全体地図(創業者・投資家・支援機関・顧客・社員)、日本のスタートアップ・エコシステムの現在地(2026 年 6 月時点、スタートアップ育成 5 か年計画、IPO 件数、資金調達総額)、創業者の役割(CEO の 4 つの仕事:ビジョン・資金・採用・PMF)、本コースの守備範囲と前提、スタートアップ起業に求められる 5 つの覚悟を学ぶ

  2. 2

    アイデアの検証と PMF——Lean Startup の原理

    良いアイデアの 3 条件(深い顧客の痛み・解ける問題・大きな市場)、TAM/SAM/SOM の見積もり方、Lean Startup(Eric Ries 2011)と Build-Measure-Learn、MVP(Minimum Viable Product)の設計、Customer Discovery(Steve Blank 2003)と顧客インタビュー、Jobs to be Done(Clayton Christensen 2003)、PMF(Product-Market Fit、Marc Andreessen 2007)の判断指標、ピボットの 10 パターン(Ries)を学ぶ

  3. 3

    創業の手続きと法人設立——会社員から「法人代表」になる

    個人事業と法人の違い、株式会社と合同会社の選択、定款・登記の流れ(公証人役場・法務局・電子定款)、資本金の決め方(資本金 100 万円問題と消費税免税)、株式の発行と種類株式(普通株式・優先株式)、創業時の株主構成と共同創業者間の持株比率、創業者間契約(Founders' Agreement)の重要性、ベスティング(Vesting)と Cliff、会社設立後の届出(税務署・年金事務所・労基署・自治体)を学ぶ

  4. 4

    初期チーム作り——共同創業者と最初の 10 人

    共同創業者の選び方(Why の共有・スキル補完・性格相性・関係性の歴史)、Reid Hoffman の Tribe 発想、共同創業者間のすれ違いと解消(Y Combinator の創業者問題データ)、初期採用(Hiring)の鉄則、初期社員にどう報いるか(ストックオプション、税制適格 SO の 2024 年改正)、1 号社員・5 号社員・10 号社員の質的違い、カルチャー設計の初期投資、Founder/Market Fit と Team/Mission Fit を学ぶ

  5. 5

    資金調達①——シード期の選択肢とエクイティの基礎

    自己資金(ブートストラップ)・補助金・銀行融資・エンジェル・VC の使い分け、日本政策金融公庫の新創業融資制度、エンジェル投資家とアクセラレーター(Y Combinator・Plug and Play・Open Network Lab・Onlab・ANRI・サイバーエージェント・キャピタル・MIRAISE)、シード VC のプロセスと期待値、バリュエーション(プレマネー・ポストマネー)、株式希薄化(ダイリューション)の考え方、種類株式・優先株式の基礎、J-KISS と SAFE(Simple Agreement for Future Equity)の違い、タームシート(Term Sheet)の主要項目を学ぶ

  6. 6

    資金調達②——シリーズ A 以降とガバナンス

    シリーズ A・B・C 以降の特徴と期待、リード投資家とフォロワー投資家、バリュエーションの作り方(DCF・コンプス・PSR・ARR 倍率)、主要な投資契約条項(優先分配権 Liquidation Preference・希薄化防止 Anti-dilution の Full Ratchet と Weighted Average・Drag Along・Tag Along・Pre-emptive Right・Information Rights)、取締役会の組成(社内取締役・投資家取締役・社外取締役)、株主間契約(Shareholders Agreement)の主要項目、ガバナンス・コードと上場準備、ベンチャーキャピタルとの付き合い方の 5 原則を学ぶ

  7. 7

    バーンレート・ランウェイ・KPI——スタートアップの数字管理

    バーンレート(Burn Rate)と Net Burn の違い、ランウェイ(Runway)の計算、ユニット・エコノミクス(CAC・LTV・LTV/CAC・Payback Period)、SaaS 系の KPI(MRR・ARR・NRR・GRR・Churn・Logo Churn)、Rule of 40(Growth + Profit Margin = 40%)、月次取締役会の進行と KPI ダッシュボード、計画と実績のギャップ管理、Pre-mortem(事前検視)による撤退ラインの設定を学ぶ

  8. 8

    出口戦略・ピボット・創業者の継続学習

    出口の選択肢(IPO・M&A・MBO・継続経営・廃業)、日本の IPO の最近の動向(東証グロース・プライム)と上場準備(J-SOX・内部統制・監査法人)、M&A の流れ(DD・バリュエーション・PMI)と最近の事例傾向、ピボットと撤退の判断基準(Pre-mortem の継続実行)、創業者の孤独とメンタル(YPO・EO・経営者コミュニティ・コーチング・配偶者・家族)、創業者交代(CEO→Chairman)のタイミング、第二創業・連続起業家としての成長、修了後の学習方向を学ぶ

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(118語)
アクセラレーター(あくせられーたー)
3 〜 6 ヶ月の短期集中プログラムで、創業期のスタートアップに少額投資と引き換えにメンタリング、ネットワーク提供、デモデーでの投資家紹介を行う組織。Y Combinator、Onlab、サイバーエージェント・キャピタル、Plug and Play などが代表的。
アップセル
既存顧客に対して、より高単価のプランや追加機能を販売して契約額を上げる活動。NRR を 100 % 以上に押し上げる原動力。
アーンアウト(あーんあうと)
M&A 後の業績連動の追加支払い。買収後 2 〜 3 年の業績達成に応じて、追加対価が売り手に支払われる仕組み。
イグジット
スタートアップにおける「出口」。投資家が出資した資金を回収する場面で、IPO、M&A、MBO、継続経営、廃業の 5 つの選択肢がある。
エクイティ
株式または株式に類する出資のこと。エクイティ・ファイナンスは、株式の発行により資金を集める手法。返済義務はないが、株式希薄化が生じる。
エンジェル投資家
個人の資産を直接スタートアップに投資する個人投資家。過去に創業経験のある経営者、大企業の元役員、富裕層が中心。1 件あたり 100 万円〜 1,000 万円規模が一般的。