本文へスキップ
スキルアップカレッジ

チームの心理的安全性入門

マネジメント・組織開発 入門 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

「心理的安全性」は、エイミー・エドモンドソンの 1999 年論文と Google の Project Aristotle 以降、日本企業でも研修テーマとして定着しました。一方で現場では「ぬるい職場」「優しい職場」と取り違えられたり、「リーダーが優しくすれば作れる」と矮小化されたりして、本来の意味を失いがちです。本コースは、エドモンドソンの理論を骨格にしつつ、日本の職場文脈(忖度・同調圧力・形式的 1on1・減点主義)とリモート/ハイブリッド時代のリアルに合わせて再構築した、「運用できる心理的安全性」入門です。リーダー視点を主軸(レッスン 4・5)にしつつ、メンバー視点(レッスン 6)も独立して扱い、「自分が部下だから何もできない」と思わせない設計にしました。完成しない継続課題として、測り、育てる発想までを 8 レッスンで体系的に学べます。

学習の流れ

レッスン 1〜3 は「土台」として、定義と歴史(レッスン 1)、パフォーマンスとの関係(レッスン 2)、日本の職場が抱える構造(レッスン 3)を扱います。前提を共有することで、レッスン 4 以降の実践論が「概念遊び」にならないようにします。レッスン 4・5 は「リーダーの役割」として、Edmondson の 3 ステップ(フレーミング・招き入れ・応答)を 2 章に分けて、運用可能なレベルまで掘り下げます。レッスン 6 は「メンバーの役割」として、リーダーでなくても文化を変えうる発言・聴き方の実践を扱います。レッスン 7 は「反対意見と建設的衝突」、優しい職場と学習する職場の違いを明確にし、健全な対立を扱う技術を学びます。レッスン 8 は「測り、育てる」として、サーベイの使い方と段階的な打ち手を整理し、心理的安全性を「完成しない継続課題」として位置づけて締めくくります。前半(レッスン 1〜3)が「土台」、中盤(レッスン 4〜6)が「リーダー × メンバー」、後半(レッスン 7〜8)が「衝突と継続」という三段構えです。

このコースで学べること

  • 心理的安全性を「ぬるい職場」「優しい職場」と区別して理解する
  • 対人関係のリスクと 4 つの不安が、発言・報告・提案・相談をどう止めているかを説明できる
  • 心理的安全性と仕事の基準を組み合わせた「学習ゾーン」の発想を持つ
  • 失敗の 3 分類を踏まえ、失敗報告を学習機会として扱える
  • リーダーとしてフレーミング・招き入れ・応答の 3 ステップを実践できる
  • メンバーとして発言する力・聴く力・反対意見の出し方を身につける
  • 建設的衝突とデブリーフィングを使い、優しい職場ではなく学習する職場をつくる
  • 心理的安全性を測り、段階的に育てる継続課題として運用できる

対象者

チームでパフォーマンスを上げたいリーダー・マネジャー、人事・組織開発担当者。リーダーでなくとも「言いたいことが言えない」「会議で意見が出ない」と感じているメンバー、これからリーダーになる方も対象。業種・規模・国際性を問わない

レッスン一覧

  1. 1

    心理的安全性とは何か——定義・誤解・歴史

    エイミー・エドモンドソンの 1999 年定義、対人関係のリスク、4 つの不安(無知・無能・邪魔・否定)、「ぬるま湯」「何でも言える職場」との違い、なぜ今この話題か、本コースの守備範囲を整理する

  2. 2

    なぜ心理的安全性がパフォーマンスを左右するのか

    Google Project Aristotle、学習する組織との関係、心理的安全性 × 高基準のマトリクス、失敗の 3 分類、エラー報告とインシデント学習を学ぶ

  3. 3

    心理的安全性を阻む構造——日本の職場文脈

    忖度・同調圧力・年功・形式的 1on1・減点主義、4 つの落とし穴、リモート/ハイブリッドでさらに弱くなる構造を直視する

  4. 4

    リーダーの役割①——枠組み設定と招き入れ

    Edmondson の 3 ステップ(フレーミング・招き入れ・応答)の前半 2 つ、失敗を学習機会として位置づける、リーダー自身の限界の開示、質問で誘い出す技術を学ぶ

  5. 5

    リーダーの役割②——応答とフィードバック

    Edmondson の 3 ステップの「応答」、悪い知らせ・失敗報告への反応の型、1on1 の使い方、SBI フィードバック、「心理的安全性は伝染する」を学ぶ

  6. 6

    メンバーの役割——発言と聴く力

    「言ってもいいかわからない」状態を抜ける、発言のハードルを下げる小技、同僚への応答、聴く力と質問する力を学ぶ

  7. 7

    反対意見と建設的衝突——優しい職場と学習する職場の違い

    健全な対立と不健全な対立、反対意見が出ない会議を変える 4 つの問い、デブリーフィング(事後ふりかえり)、失敗のリ・フレーミング、同調圧力の崩し方を学ぶ

  8. 8

    心理的安全性を測り、育てる——継続課題として

    Edmondson 7 項目尺度、チーム・1on1・ふりかえりでの簡易チェック、段階的な打ち手、リモート/ハイブリッド/グローバルチームでの応用、コース修了後の学習方向を案内する

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(63語)
異論歓迎の宣言
会議の冒頭で「今日は異論を歓迎する」とリーダーまたは進行役が明示する小さな工夫。同調圧力を緩める効果がある。
招き入れ
→ あ行の「招き入れ」を参照
インパクトの実感
Google Project Aristotle が抽出した、成果を上げるチームの 5 要素のうちの 1 つ。「自分の仕事が組織や顧客に届いているという実感」を指す。
エイミー・エドモンドソン
ハーバード大学の組織行動学者。1999 年に「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」を発表し、現代の心理的安全性研究の出発点を作った。本コースの理論的骨格を提供している。
エラー報告
ミス・事故・不具合を、起きたあとに組織に伝える行為。心理的安全性が低い組織ではエラー報告が止まり、組織は同じミスを繰り返す。エドモンドソンが看護師研究で着目した重要な観点。
エンゲージメントサーベイ
組織が定期的に実施する従業員アンケート。心理的安全性の 7 項目尺度を取り込んだ製品が多い。スコアは「評価の道具」ではなく「対話の道具」として使うのが原則。