用語集
チームの心理的安全性入門コースで使われる主要な用語(63語)をまとめています。
- インパクトの実感 (いんぱくとのじっかん)
- Google Project Aristotle が抽出した、成果を上げるチームの 5 要素のうちの 1 つ。「自分の仕事が組織や顧客に届いているという実感」を指す。
- → レッスン2
- エイミー・エドモンドソン
- ハーバード大学の組織行動学者。1999 年に「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」を発表し、現代の心理的安全性研究の出発点を作った。本コースの理論的骨格を提供している。
- → レッスン1
- エラー報告
- ミス・事故・不具合を、起きたあとに組織に伝える行為。心理的安全性が低い組織ではエラー報告が止まり、組織は同じミスを繰り返す。エドモンドソンが看護師研究で着目した重要な観点。
- → レッスン2
- 応答 (おうとう)
- リーダーがメンバーの発言を受けたときの反応。エドモンドソンの 3 ステップの第 3 ステップで、次の発言を呼ぶか止めるかを決める最重要工程。「自分の意見を返す」ではなく「相手の発言をまず受け止める」工程として位置づけられる。
- → レッスン5
- 学習ゾーン(がくしゅうぞーん)
- エドモンドソンが整理した 2 軸マトリクスのうち、心理的安全性も仕事の基準も高い理想象限。高い目標を共有しつつ、率直に意見を交わし、ミスから学べる状態。
- → レッスン1
- 学習する組織 (がくしゅうするそしき)
- ピーター・センゲが 1990 年の著書『The Fifth Discipline』で提唱した、変化に適応し続けられる組織のあり方。心理的安全性は学習する組織の必要条件(だが十分条件ではない)。
- → レッスン2
- 観察を聞く問い (かんさつをきくとい)
- 招き入れの問いの型の 1 つ。「最近現場で気になっていることは?」「お客様と話していて感じたことは?」など、意見ではなく観察を聞く問い。発言のハードルを下げる効果が高い。
- → レッスン4
- 共有された信念 (きょうゆうされたしんねん)
- エドモンドソンの心理的安全性の定義に登場する重要キーワード。心理的安全性は個人の信念ではなく、チーム全員の間で共有された状態として捉えられる。
- → レッスン1
- 構造と明確性 (こうぞうとめいかくせい)
- Google Project Aristotle が抽出した、成果を上げるチームの 5 要素のうちの 1 つ。「役割・責任・進め方が明確であること」を指す。
- → レッスン2
- サーベイ
- 組織や個人を対象に実施する質問紙調査。心理的安全性の 7 項目尺度はサーベイで使われる代表的な指標。「数値を取って終わり」「匿名性が守られない」「高頻度すぎる」「リーダー評価に使う」が代表的な落とし穴。
- → レッスン8
- SBI フィードバック(エス・ビー・アイ・ふぃーどばっく)
- Situation(状況)・Behavior(行動)・Impact(影響)に限定し、人格や性格を評価しないフィードバックの型。米国のセンター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップ(CCL)が提唱した。
- → レッスン5
- 邪魔の不安 (じゃまのふあん)
- エドモンドソンの 4 つの不安の 1 つ(Intrusive)。「反対意見を言ったら、空気を読まない人だと思われるかも」という不安。提案や反論をためらわせる。
- → レッスン1
- 心理的安全性 (しんりてきあんぜんせい)
- チームの中で、対人関係上のリスクを取っても安全だと感じられる、メンバー間で共有された信念。エイミー・エドモンドソンが 1999 年に提唱した。本コースの中心概念。
- → レッスン1
- ステアマン・ロール(すてあまん・ろーる)
- 議論で「反対側の立場をいちばん強く擁護する人」を意図的に置く役割。会議のたびにローテーションすることで、反対意見を出すことが「役割上の責任」になり、対人関係のリスクが下がる。
- → レッスン7
- 対人関係のリスク (たいじんかんけいのりすく)
- 心理的安全性の定義に登場する重要キーワード。職場で何かを口にしたときに、相手から低く見られたり否定されたりすると感じる不安のこと。業務上の合理性とは別に、無意識に瞬時に計算される。
- → レッスン1
- タテマエの 1on1 (たてまえのわんおんわん)
- 形式上は 1on1 が実施されているが、業務報告・タスク確認だけで終わり、本音が出てこない空洞化した運用。日本の職場で心理的安全性を阻む 4 つの落とし穴の 1 つ。
- → レッスン3
- 知的失敗 (ちてきしっぱい)
- エドモンドソンの失敗の 3 分類の 1 つ。新しい挑戦・実験から生まれる「結果として、うまくいかなかった」失敗。組織が学ぶための投資として、称賛と学習対象としての記録が望ましい対処。
- → レッスン2
- 沈黙を埋めない (ちんもくをうめない)
- 招き入れの問いの型の 1 つ。問いを立てたあとに 5〜7 秒の沈黙を待つこと。リーダーが沈黙を埋めず、メンバーが言葉を組み立てる時間を確保する。
- → レッスン4
- デブリーフィング
- 事後ふりかえりのこと。①何を計画していたか、②実際に何が起きたか、③なぜ起きたか、④次に何を変えるか、の 4 つの問いに答える構造を取る。米国陸軍の After Action Review(AAR)が代表的。
- → レッスン7
- 名指しの招き入れ (なざしのまねきいれ)
- 特定のメンバーを指名して発言を引き出す手法。詰問にならないよう「観察を聞く」「経験を聞く」形にし、「答えが出なくてもよい」と前置きするのが要点。
- → レッスン4
- パトリック・レンシオーニ
- 経営コンサルタント。『The Five Dysfunctions of a Team(あなたのチームは、機能してますか?)』(2002 年)でチームの機能不全を 5 層で整理。本コースでは「衝突への恐れ」「人工的な調和」をレッスン 7 で参照。
- → レッスン7
- 否定の不安 (ひていのふあん)
- エドモンドソンの 4 つの不安の 1 つ(Negative)。「弱音や懸念を口にしたら、ネガティブな人と思われるかも」という不安。本音やリスクの共有をためらわせる。
- → レッスン1
- ピーター・センゲ
- 組織学者。1990 年の著書『The Fifth Discipline(最強組織の法則/学習する組織)』で、変化に強い組織の条件として「組織として学べる能力」を挙げた。
- → レッスン2
- 複雑系の失敗 (ふくざつけいのしっぱい)
- エドモンドソンの失敗の 3 分類の 1 つ。複数の要因が絡んで、誰の悪意でも怠慢でもなく起きる失敗。新規プロジェクトの想定外・災害時の混乱・複雑なシステム障害などが典型例。早期発見・早期対処・インシデント後の学習が対処の方針。
- → レッスン2
- 不安ゾーン(ふあんぞーん)
- 学習ゾーンマトリクスのうち、心理的安全性が低く仕事の基準が高い象限。短期的に数値が出ることがあるが、ミスの隠蔽・離職・メンタル不調が増え、長期的には組織が弱くなる。
- → レッスン2
- ブレネー・ブラウン
- 研究者。著書『Dare to Lead』(2018 年)などで「vulnerability(脆弱性、自分の弱さを見せる力)」の重要性を論じた。心理的安全性とリーダーシップを語るときによく参照される。
- → レッスン4
- Pre-mortem(プレモーテム)
- ダニエル・カーネマンが推奨した手法。「プロジェクトが失敗した未来から振り返って、何が原因だったかを書き出す」という発想で、隠れたリスクを浮かび上がらせる。
- → レッスン7
- 無関心ゾーン(むかんしんぞーん)
- 学習ゾーンマトリクスのうち、心理的安全性が低く仕事の基準も低い象限。「何も求められない、何も話さない」職場で、メンバーは去っていく。アパシーゾーンとも呼ばれる。
- → レッスン2
- 無能の不安 (むのうのふあん)
- エドモンドソンの 4 つの不安の 1 つ(Incompetent)。「ミスを認めたら、無能だと思われるかも」という不安。失敗の報告や、できないことの相談をためらわせる。
- → レッスン1
- 4 つの不安 (よっつのふあん)
- エドモンドソンが整理した、心理的安全性が低い状態で人が抱える 4 種類の不安。無知(Ignorant)・無能(Incompetent)・邪魔(Intrusive)・否定(Negative)の不安。
- → レッスン1
- 予防可能な失敗(よぼうかのうなしっぱい)
- エドモンドソンの失敗の 3 分類の 1 つ。既知の手順・ルールから外れたことで起きる失敗。チェックリスト・ルール遵守で防げる。再発防止策・標準化が対処の中心。
- → レッスン2
- リ・フレーミング
- 起きた出来事の「枠組み」を捉え直すこと。「失敗」を「学習機会」、「ミスを犯した人」を「早期に気づいた人」と捉え直す。ただし対処と再発防止とセットで運用するのが原則で、「美化」とは区別される。
- → レッスン7
- リーダー独占型コミュニケーション(りーだーどくせんがたこみゅにけーしょん)
- リーダーが情報・意思決定・発言の機会を独占し、メンバーは「指示を受ける側」に固定化される構造。日本の職場で心理的安全性を阻む 4 つの落とし穴の 1 つ。
- → レッスン3
- リーダーの 3 ステップ(りーだーの 3 すてっぷ)
- エドモンドソンが整理した、心理的安全性を高めるリーダーの行動の型。フレーミング → 招き入れ → 応答、の 3 ステップを日々の対話で繰り返し回す。
- → レッスン4
- After Action Review (AAR)
- 米国陸軍が広めた事後ふりかえりの手法。デブリーフィングの代表的な構造で、計画・実際・原因・次の打ち手、の 4 つの問いに答える形式が標準。
- → レッスン7
- Dare to Lead
- ブレネー・ブラウンの著書(2018 年)。「vulnerability(脆弱性)」の概念をリーダーシップ論として整理した。心理的安全性とリーダーシップを語るときに参照されることが多い。
- → レッスン4
- Edmondson 7 項目尺度(エドモンドソン 7 こうもくしゃくど)
- エイミー・エドモンドソンが 1999 年論文で示した、心理的安全性を測る 7 項目の質問。失敗への寛容・難しい話題の扱い・違いの受け入れ・リスクを取る安全・助けを求められる・意図的に貶められない・自分のスキルが活かされる、の 7 観点で構成される。
- → レッスン8
- Google Project Aristotle(ぐーぐる ぷろじぇくと ありすとてれす)
- Google が 2012 年から数年間かけて、社内数百チームを分析した調査。成果を上げるチームの共通点を探り、心理的安全性が最も強く成果に相関する要素であることを示した。re:Work というサイトで成果の一部が公開されている。
- → レッスン2
- The Fearless Organization (恐れのない組織)
- エイミー・エドモンドソンの著書(2018 年)。心理的安全性を「学術用語」から「経営の言葉」へ移した代表作。フォルクスワーゲン・ボーイング 737 MAX・Wells Fargo・福島原発事故などを心理的安全性の不在事例として論じた。
- → レッスン1
- The Five Dysfunctions of a Team(あなたのチームは、機能してますか?)
- パトリック・レンシオーニの著書(2002 年)。チームの機能不全を 5 層で整理し、「衝突への恐れ」「人工的な調和」を重要な落とし穴として描いた。
- → レッスン7
- vulnerability(脆弱性/自分の弱さを見せる力)
- ブレネー・ブラウンが論じた概念。リーダーが自分の「わからなさ」「迷い」「能力の限界」を開示する力。心理的安全性の招き入れの土台として機能する。
- → レッスン4
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