SEOの基本と生成AIがもたらした変化
レッスン1:SEOの基本と生成AIがもたらした変化
このレッスンで学ぶこと
- SEO(検索エンジン最適化)の基本的な仕組みを理解する
- Google検索がどのようにWebページを評価しているかを説明できる
- 生成AIの登場によって検索の世界がどう変わったかを把握する
- AI OverviewやAI検索エンジンの概要を理解する
SEOとは何か
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と呼ばれます。GoogleやBingなどの検索エンジンで、自分のWebサイトが検索結果の上位に表示されるように工夫する取り組みのことです。
なぜSEOが重要なのでしょうか。多くのユーザーは、検索結果の1ページ目に表示されたサイトしかクリックしません。2ページ目以降のサイトは、ほとんど訪問されないのが現実です。つまり、検索結果で上位に表示されることは、Webサイトへの訪問者を増やすうえで非常に大きな意味を持ちます。
Google検索の基本的な仕組み
Google検索がWebページを表示するまでには、大きく分けて3つのステップがあります。
1つ目は「クロール」です。 Googleは「クローラー」と呼ばれるプログラムを使って、インターネット上のWebページを自動的に巡回しています。クローラーはリンクをたどりながらページを発見し、その内容を読み取ります。
2つ目は「インデックス」です。 クローラーが読み取ったページの情報は、Googleの巨大なデータベースに登録されます。この登録作業を「インデックス」と呼びます。インデックスされていないページは、検索結果に表示されません。
3つ目は「ランキング」です。 ユーザーが検索キーワードを入力すると、Googleはインデックスの中から最も関連性が高く、品質の良いページを選び出し、順位を付けて表示します。この順位を決めるルールが「検索アルゴリズム」です。
💡 ポイント SEO対策とは、この3つのステップそれぞれに対して最適化を行うことです。クローラーに発見されやすくする、正しくインデックスされるようにする、そしてランキングで上位に評価されるようにする。この3つの視点を持つことが大切です。
検索意図を理解することの重要性
Googleのアルゴリズムが最も重視しているのは「検索意図との一致」です。検索意図とは、ユーザーがそのキーワードで検索したときに「本当に知りたいこと」を指します。
例えば、「カレー 作り方」と検索するユーザーは、カレーのレシピを知りたいと考えています。一方、「カレー 渋谷」と検索するユーザーは、渋谷にあるカレー店を探しています。同じ「カレー」というキーワードでも、検索意図はまったく異なります。
検索意図は、大きく4つの種類に分けられます。
- 情報検索型(Know):何かを知りたい。例:「SEOとは」
- 案内型(Go):特定のサイトに行きたい。例:「Google Search Console ログイン」
- 取引型(Do):何かをしたい、購入したい。例:「SEO対策ツール 比較」
- 商業調査型(Commercial Investigation):購入前に調べたい。例:「SEO会社 おすすめ」
コンテンツを作るときは、ターゲットとするキーワードの検索意図を正確に把握し、その意図に合った情報を提供することが、SEOの基本中の基本です。
生成AIの登場と検索の変化
2022年末にChatGPTが登場して以降、生成AI(ジェネレーティブAI)はWebの世界に大きな変化をもたらしました。検索の分野も例外ではありません。
従来のGoogle検索は、ユーザーの質問に対して「関連するWebページのリンク一覧」を返すものでした。ユーザーはそのリンクをクリックして、各サイトで情報を探す必要がありました。
しかし、生成AIの登場によって、検索エンジンが「質問に対する回答そのもの」を直接表示する時代が到来しました。ユーザーはリンクをクリックしなくても、検索結果の画面上で答えを得られるようになったのです。
Google AI Overviewとは
この変化を象徴するのが、Googleの「AI Overview」です。
AI Overviewは、2024年5月にアメリカで正式に導入され、同年8月に日本でも提供が開始されました。もともと「SGE(Search Generative Experience)」という名称で試験運用されていた機能が、正式サービスとして生まれ変わったものです。
AI Overviewが表示されると、検索結果の最上部にAIが生成した回答が表示されます。この回答は、複数のWebページの情報を要約・統合したものです。回答の下には、情報の参照元となったWebページへのリンクも表示されます。
2025年3月以降、AI Overviewの影響で自然検索からの流入が減少したと回答した企業は約6割にのぼります。従来のSEO対策だけでは、Webサイトへの集客が難しくなりつつあります。
⚠️ 注意 AI Overviewは、すべての検索クエリに表示されるわけではありません。特に情報検索型の質問に対して表示されやすい傾向があります。一方、特定のサイトに行きたいという案内型の検索には表示されにくいです。
AI検索エンジンの台頭
Google以外にも、AI技術を活用した新しい検索サービスが登場しています。代表的なものを紹介します。
ChatGPT検索は、OpenAIが提供するChatGPTにWeb検索機能を統合したものです。ユーザーの質問に対して、Web上の最新情報を参照しながら回答を生成します。
Perplexityは、AI検索に特化したサービスです。質問に対して、情報の出典を明示しながら回答を生成する点が特徴です。「回答エンジン」とも呼ばれています。
Google AIモードは、2025年に日本でも提供が開始された機能です。通常のGoogle検索とは別に、AIとの対話形式でより深い情報探索ができるモードです。
これらのAI検索エンジンの利用は急速に拡大しています。AI経由のWebサイト訪問数は、2025年の前半だけで前年比527%も増加したという調査結果もあります。
SEOの新しい全体像
ここまでの内容を整理しましょう。生成AIの登場によって、SEOの全体像は次のように変わりつつあります。
従来のSEOは、Google検索で上位に表示されることが目標でした。対策の中心は、キーワードの最適化、良質なコンテンツの作成、被リンク(ほかのサイトからのリンク)の獲得などでした。
これからのSEOは、従来の対策に加えて、AI Overviewに参照元として採用されること、そしてChatGPTやPerplexityなどのAI検索エンジンに情報源として引用されることも重要になります。
つまり、「検索結果で上位に表示される」だけでなく、「AIに選ばれるコンテンツを作る」という新しい視点が必要になりました。この新しい最適化の考え方を「GEO」や「LLMO」と呼びます。GEOはGenerative Engine Optimization(生成エンジン最適化)、LLMOはLarge Language Model Optimization(大規模言語モデル最適化)の略です。これらについては、レッスン4で詳しく学びます。
💡 ポイント 従来のSEOが不要になったわけではありません。AI検索エンジンは、既存のSEO評価(サイトの権威性や被リンクの質など)を信頼シグナルとして利用しています。従来のSEOを土台としたうえで、AI対応を上乗せしていくという考え方が大切です。
まとめ
このレッスンでは、以下のことを学びました。
- SEOとは、検索エンジンで自サイトを上位表示させるための最適化の取り組みである
- Google検索は「クロール→インデックス→ランキング」の3ステップで動いている
- コンテンツは検索意図に合致していることが最も重要である
- 生成AIの登場により、Google AI Overviewが検索結果の最上部に回答を表示するようになった
- ChatGPTやPerplexityなど、AI検索エンジンの利用が急拡大している
- これからのSEOは、従来の対策に加えてAIに選ばれるコンテンツ作りが求められる
次のレッスンでは、Googleが重視する品質基準「E-E-A-T」について詳しく学びます。AIが生成するコンテンツとの差別化において、E-E-A-Tがなぜ重要なのかを理解しましょう。
確認クイズ
このレッスンの理解度をチェックしましょう。