用語集
AI時代の仕事術コースで使われる主要な用語(62語)をまとめています。
- AI ガバナンス(えーあい がばなんす)
- 組織として AI 利用のルール・責任・監督体制を整える仕組み。利用範囲のルール、入力禁止情報の指定、ログの取得、評価制度との関係、教育、対話の場の整備などを含む。
- AI に置き換えられる仕事(えーあいに おきかえられるしごと)
- AI が人間の作業を肩代わりし、人間が同じ作業をしなくなる関係。「置き換え型」とも呼ぶ。定型メール生成・議事録の自動文字起こし・単純翻訳・データの自動分類・FAQ への自動回答などが典型。
- AI で拡張される仕事(えーあいで かくちょうされるしごと)
- AI が人間の能力を拡張し、人間が単独ではできなかった水準の仕事ができる関係。「拡張型」とも呼ぶ。多言語対応・思考の壁打ち・専門外領域への素早いアクセス・大規模情報整理・創造の幅出しなどが典型。
- 意思決定マトリクス (いしけっていまとりくす)
- 複数の選択肢を、複数の観点で評価して整理する表。コスト・効果・リスク・期間・組織の負担などの観点で選択肢 A・B・C を比較する。整理の道具であり、決定そのものではない。
- 入力禁止情報 (にゅうりょくきんしじょうほう)
- AI に入力すべきでない情報。個人情報・企業秘密・契約情報・第三者の知的財産・規制対象情報など。組織のルールに従って範囲を決める。
- 同調バイアス (どうちょうばいあす)
- AI がユーザーの意見に反論しすぎないように調整されており、質問者の前提を尊重するように振る舞う性質。「○○ は正しいですか」と聞くと「正しい」と答えやすい。対策は中立的な質問、反対派演じさせ、複数モデル比較。
- Voice モード(ぼいすもーど)
- AI と音声で対話できるモード。ChatGPT の Advanced Voice Mode、Claude のモバイル音声機能、Google Gemini の音声機能、Microsoft Copilot の Voice Chat などが代表。移動中の思考整理・メール下書き・予行演習に活用できる。
- Web 検索連携 (うぇぶけんさくれんけい)
- AI が回答時に Web 検索を行い、最新情報を取り込みながら回答する機能。引用 URL を提示するため、原典をたどりやすい。2026 年 6 月時点で主要モデルで標準化している。
- カスタム指示 (かすたむしじ)
- AI に対して常に適用される指示の集まり。ユーザーの背景情報・好み・スタイルガイドなどを登録しておき、毎回入力しなくても反映される。法人版ではテンプレート・FAQ の組織共有にも使われる。
- 関係作業 (かんけいさぎょう)
- 知識労働者の業務階層のうち、人と人との関わりの作業。交渉・説得・ケア・信頼構築など。AI は補助の位置にとどまり、人間の主体性が中心。
- 拡張 (かくちょう)
- 業務での生成 AI の 3 つの使い方の 1 つ。骨組み・キーワード・指示を AI に渡して、形になった文章を生成してもらう使い方。ゼロから書くより時間が短縮されるが、ハルシネーションリスクが大きい。
- 拡張型 (かくちょうがた)
- → AI で拡張される仕事を参照。
- 階層的要約 (かいそうてきようやく)
- 非常に長い文書を、セクション単位の要約 → 全体の要約と階層的に整理する方法。一気に全部要約するより品質が安定する。
- 議事録 (ぎじろく)
- 会議の内容を記録する文書。録音から AI が文字起こしし、整形する使い方が広がっている。法人版では会議システムと連携した自動生成機能も増えている。
- 業務階層 (ぎょうむかいそう)
- 知識労働者の業務を 4 つに整理した枠組み。型作業・調査作業・思考作業・関係作業。AI の関与の仕方を考えるときの基本軸として本コースで使う。
- 業務プロセス再設計 (ぎょうむぷろせす さいせっけい)
- 業務の流れを構造から見直し、AI を組み込んで効率化・質向上を図る発想。BPR(Business Process Reengineering)の AI 時代版。「AI 化」を目的化せず、業務本来の価値から逆算する。
- 構成案 (こうせいあん)
- 文書作成において、本文を書く前にまとめる骨組み。件名・結論 1 文・根拠 3 つ・行動依頼などの粒度で箇条書きにまとめる。AI に渡すドラフト生成の質を大きく左右する。
- 個人契約 (こじんけいやく)
- 社員が個人で AI サービスを契約して業務に使うこと。法人契約と異なり、組織のガバナンスから外れる場合があり、シャドー AI の発生源になりやすい。
- 型作業 (かたさぎょう)
- 知識労働者の業務階層のうち、決まった形式に従う作業。フォーマット入力・定型メール・議事録整形・データ転記など。判断要素が少なく、AI で大幅に自動化・効率化できる領域。
- コンテキスト (こんてきすと)
- AI への指示と入力情報全体の文脈。文書の種類・読み手・目的、自分の役割、組織のスタイルガイドなどを含む。コンテキストが豊かなほど出力の精度が上がる。
- 参照 (さんしょう)
- 業務での生成 AI の 3 つの使い方の 1 つ。質問して AI に教えてもらう使い方。便利だがハルシネーションリスクが最大。原典確認、検索連携、複数モデル比較、専門家確認が対策。
- Reasoning モデル(りーずにんぐもでる)
- 回答前に内部での思考プロセスを長く取るモデル。OpenAI の o シリーズ、Anthropic の Extended Thinking、Google の Gemini Deep Think などが代表。複雑な意思決定・長文の論理的読解・多変数のトレードオフ分析に向く。
- 思考作業 (しこうさぎょう)
- 知識労働者の業務階層のうち、判断と創造の作業。意思決定・企画立案・問題解決・戦略策定など。AI が壁打ち相手・選択肢の幅出しを担い、人間が最終判断を持つ分業が広がる。
- シャドー AI(しゃどー えーあい)
- 社員が個人契約の AI ツールを業務で使い、組織が把握していない状態。シャドー IT の流れの中で生まれた論点。禁止だけでは解決せず、法人契約版整備・ルール周知・教育・対話による「整える」アプローチが現実解。
- 自分らしさ(じぶんらしさ)
- AI 文章の特徴(丁寧で角がない・教科書的・無難なトーン)に飲み込まれず、自分の声を保つこと。書き出しと結びは自分で書く、AI 出力を下訳と扱う、過去の自分の文章をスタイル例として渡す、などの工夫で確保できる。
- スタイルガイド (すたいるがいど)
- 組織や個人の文体・語彙・形式・禁止表現を整理したもの。AI に「以下のスタイルで書いてください」と渡すと、出力が組織のスタイルに近づく。
- 説明責任 (せつめいせきにん)
- 業務での AI 利用において、「何を AI に任せ、何を自分の判断としたか」を明確にする責任。アカウンタビリティとも呼ぶ。文書の最後に「AI による下書きを基に、自分で編集・確認しました」と明示する組織も増えている。
- 生産性パラドックス(せいさんせいぱらどっくす)
- ツールを導入したのに想定された生産性向上が実現しない現象。AI 導入でも起きやすい。「ツール導入で終わらせず、業務プロセスの再設計を伴うことが鉄則」という本コースの主張の背景。
- 棚卸し (たなおろし)
- 自分の業務を書き出して、AI 関係を判定すること。典型的な 1 週間の業務 → 業務階層分類 → AI 適合度判定 → 時間配分予測 → 投資方針、というステップで進める。半年に 1 回程度の頻度で見直すのが推奨。
- 多角視点 (たかくしてん)
- 意思決定の質を上げるために、賛成派・反対派・第三者の 3 つの立場から考える発想。AI に各立場を演じてもらうことで、自分一人では出ない論点が浮かぶ。
- 多言語コミュニケーション(たげんごこみゅにけーしょん)
- 異なる言語を話す相手とのビジネスコミュニケーション。AI は単純翻訳に加え、トーンの保持・文化的配慮・ローカライズ・用語の統一などに使える。法律・契約・財務文書は専門翻訳者の確認を入れる前提で運用する。
- 第三者 (だいさんしゃ)
- 意思決定の壁打ちで AI に演じさせる立場の 1 つ。当事者ではない外部の目線で評価する。時間軸を変えて「5 年後の振り返り」のように使うと、当事者の感情から距離を取れる。
- 著作権リスク (ちょさくけんりすく)
- AI が他者の著作物を学習しており、出力に他者の知財が混ざる可能性。第三者の特許・論文・著作物全体を AI に入力すること、AI 出力をそのまま自分の著作物として外に出すことには、リスクがある。
- 調査作業 (ちょうささぎょう)
- 知識労働者の業務階層のうち、情報を集めて整理する作業。資料リサーチ・市場調査・横断要約・競合分析など。AI が一次整理を担い、人間が選別・判断する分業が広がる。
- 賛成派 (さんせいは)
- 意思決定の壁打ちで AI に演じさせる立場の 1 つ。自分の考えを支持する論点を強化したいときに使う。
- ドラフト生成(どらふとせいせい)
- 骨組み・キーワード・指示から、AI に文章のドラフトを作ってもらうこと。「拡張」の代表的な使い方。最終的な編集と内容の責任は人間が持つ。
- NG ワードチェック(えぬじーわーどちぇっく)
- 文書に「使うべきでない表現」が含まれていないか確認すること。性別・年齢・健常者前提・国籍・宗教・出身地などへの配慮表現を AI に依頼してチェックできる。最終判断は人間が行う。
- 「中間」の発想 (なかまのはっそう)
- 「全部 AI で書く」「全部自分で書く」の両極ではなく、自分の判断と AI の生成が交互に登場する中間の姿で業務を進める発想。効率と品質と自分の声のバランスを取る現実的な姿。
- 壁打ち (かべうち)
- 自分の考えを誰かに話して、反応をもらって考えを深める行為。テニスの壁打ち練習からの比喩。AI を壁打ち相手にすると、いつでも応答・相手の負担なし・専門領域に偏らないなどの利点がある。
- 反対派 (はんたいは)
- 意思決定の壁打ちで AI に演じさせる立場の 1 つ。「手心を加えずに反論してください」と指示すると、自分の意見の弱点を発見しやすい。「悪魔の代弁者」と類似の発想。
- ハルシネーション(はるしねーしょん)
- AI が事実誤認の情報を、もっともらしく出力する現象。学習データのカットオフ以降の情報、業界・地域・組織に特有の情報、細かい数値・固有名詞・日付、法律・税務・契約・医療など判断を伴う領域で起きやすい。
- ファイル添付処理 (ふぁいるてんぷしょり)
- PDF・Excel・Word・PowerPoint・CSV・画像などのファイルを直接 AI に渡して、テキスト抽出・要約・分析を行わせる機能。2026 年 6 月時点で標準化している。
- フィードバック文書(ふぃーどばっくぶんしょ)
- 相手の成長を促し、信頼関係を保ち、改善を実現する文書。事実 → 影響 → 期待 → 支援の構造で書く。AI に「相手の立場で読んでチェック」と依頼することで質を上げられる。
- プロンプト (ぷろんぷと)
- AI への指示文。本コースでは「文書の種類・読み手・目的を伝える」「中立的に質問する」「立場を指定する」などの基本発想に絞り、高度なプロンプトエンジニアリングには踏み込まない。
- プロンプトインジェクション (ぷろんぷといんじぇくしょん)
- 第三者が AI への指示を悪意で書き換える攻撃。社外文書や Web 検索結果に仕込まれた悪意の指示を AI が実行してしまうリスクがある。業務でファイルを処理するときは内容を信頼できる原典に限定する。
- 法人契約版 (ほうじんけいやくばん)
- 組織として AI サービスを契約する形態。Microsoft Copilot for Microsoft 365/Copilot Enterprise、ChatGPT Team/Enterprise、Claude for Work、Google Gemini for Workspace などが代表。データ保護・ログ取得・組織用カスタマイズが個人契約より優れる。
- プレゼン構成案 (ぷれぜんこうせいあん)
- プレゼン資料を作る前に AI に作ってもらう構成。プレゼンの目的・相手・時間(5 分/15 分/60 分)を伝えると、長さに応じた構成パターンが提示される。
- 横断要約 (おうだんようやく)
- 複数の文書を横断的に比較・要約する使い方。「比較の観点」を明示し、比較表の形で出力を依頼すると整理しやすい。AI が「無理に整合性を取る」リスクがあるため、最終解釈は人間が行う。
- 用途で選ぶ(ようとでえらぶ)
- ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot のどれが優れているかではなく、自分の業務の用途で選ぶスタンス。本コースが特定モデルを推さない理由。
- リライト(りらいと)
- 業務での生成 AI の 3 つの使い方の 1 つ。自分が書いた文章を AI に直してもらう使い方。リスクが小さく即効性のある入口。AI の使い方の初心者にも勧められる。
- リサーチ設計(りさーちせっけい)
- 参照(質問して教えてもらう)の業務での使い方。目的を 1 文で明確化 → 何がわかれば目的を果たせるか → 質問を分解 → 1 つずつ AI に投げる → 出力を吟味し原典を確認、というステップで進める。
- リテラシー陳腐化(りてらしーちんぷか)
- AI 領域の知識が半年で大きく変わるため、学んだ知識が古くなる現象。特定モデルの仕様・操作手順・「魔法のプロンプト」などは陳腐化しやすく、概念・発想・考え方は陳腐化しにくい。
- 倫理的配慮 (りんりてきはいりょ)
- 業務での AI 利用で考慮すべき倫理。個人情報の保護、機密情報の保護、第三者の知的財産への配慮、配慮表現の使用、組織のルールへの遵守などを含む。
- Anthropic (あんすろぴっく)
- Claude を開発・提供する AI 企業。米国カリフォルニア州。AI Safety を重視する技術開発スタンスを公表。Claude for Work(法人版)も提供。
- ChatGPT(ちゃっとじーぴーてぃー)
- OpenAI が提供する対話型 AI。2022 年 11 月一般公開、2023 年 2 月 ChatGPT Plus 開始、2023 年 8 月 ChatGPT Enterprise 開始、2024 年 1 月 ChatGPT Team 開始。本コース執筆時点(2026 年 6 月)で主要モデルの 1 つ。
- Claude(くろーど)
- Anthropic が提供する対話型 AI。2023 年 3 月初版公開、2024 年 3 月 Claude 3 シリーズ、2024 年 5 月 Claude for Work 開始。長文処理・整理・推論に強み。
- Copilot (こぱいろっと)
- Microsoft が提供する AI アシスタント。Copilot for Microsoft 365 は 2023 年 11 月一般提供開始。Office アプリ内での AI 利用に強い。Copilot Enterprise は法人向け上位版。
- Gemini (じぇみない)
- Google が提供する対話型 AI。2024 年 2 月に Google Bard から改称。Gemini for Workspace(旧 Duet AI for Workspace)は Google Workspace と統合。Docs/Sheets/Slides 内での AI 利用に強い。
- LLM (えるえるえむ)
- Large Language Model(大規模言語モデル)。生成 AI の中核技術。本コースでは仕組みには踏み込まず、業務での組み込み方に集中する。
- OpenAI(おーぷんえーあい)
- ChatGPT を開発・提供する AI 企業。米国カリフォルニア州。本コース執筆時点(2026 年 6 月)で業界最大手。
- RAG(らぐ)
- Retrieval-Augmented Generation(検索拡張生成)。AI が回答する際に、社内のドキュメント・社内ナレッジを参照しながら回答する仕組み。社内文書の品質が RAG の品質を決める。
- SBI(えすびーあい)
- フィードバックの古典的フレームワーク。Situation(状況)・Behavior(行動)・Impact(影響)。本コースの「事実 → 影響 → 期待 → 支援」と近い発想。
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