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スキルアップカレッジ

製造業のビジネス基礎

業種別実務 中級 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

製造業は GDP の約 20 % を占める日本経済の基幹産業でありながら、業界外の方には「ことば」と「考え方」がわかりにくい世界です。本コースは、製造業に転職・配属された事務系・営業・人事・経理・経営企画の担当者と、製造業クライアントを担当するコンサル・SIer・金融・銀行・編集者の両方を主軸に、製造業を「業界として読み解く眼鏡」を 8 レッスンで提供します。業界構造とサブ業界分類、バリューチェーン、生産形態と生産計画、トヨタ生産方式(TPS)と Lean、品質管理(QC・SQC・TQM・Six Sigma)と品質不正、製造原価と工場 KPI、SCM と地政学リスク、スマートファクトリーと製造業 DX までを扱います。

学習の流れ

レッスン 1 で製造業の現在地・サブ業界分類・本コースの 3 視点(転職者/担当者/提案者)を共有します。レッスン 2 で「製造業の全体地図」としてバリューチェーン(設計・調達・製造・物流・アフター)と QCD・5 機能組織を扱います。レッスン 3 〜 6 が「現場と数字の両輪」の本体で、生産形態と PSI(L3)、トヨタ生産方式と Lean(L4)、品質管理と品質不正(L5)、原価管理と工場 KPI(L6)を順に学びます。レッスン 7 で個社を超える論点として SCM と地政学リスクを扱い、レッスン 8 でスマートファクトリーと製造業 DX を扱って締めくくります。製造業の現場経験がない方が、「業界外から内に入ったとき」または「業界外から接するとき」に立ち止まらないための土台を作るコースとして設計しています。

このコースで学べること

  • 製造業の業界構造とサブ業界分類(加工組立・プロセス産業)を理解し、自分の関わる業種を位置づけられる
  • 製造業のバリューチェーン(設計・調達・製造・物流・アフター)と組織機能を地図化できる
  • 生産形態(MTS/MTO/ETO/ATO)と生産計画 PSI、工場 KPI(OEE)を読み解ける
  • トヨタ生産方式(TPS)と Lean の思想を理解し、7 つのムダ・JIT・自働化・5S・Kaizen の関係を説明できる
  • 品質管理体系(QC 7 つ道具・SQC・TQM・Six Sigma)と品質不正の発生メカニズム・再発防止構造を理解する
  • 製造原価の構造(材料費・労務費・経費/直接費・間接費)と標準原価・原価差異分析を読める
  • SCM の概念とブルウィップ効果、サプライヤー戦略、BCP と地政学リスクを把握する
  • スマートファクトリーと製造業 DX の現在地(インダストリー 4.0・MES・IoT・予知保全・AI ユースケース)を理解する

対象者

製造業に転職・配属された事務系・営業・HR・人事・経理・経営企画担当者と、製造業クライアントを担当するコンサル・SIer・金融・銀行・広告代理店・編集者を両方主軸とする。製造業の現場経験はないが「業界としての製造業を読み解きたい」社会人 3 年目以上を対象。製造業に向けた提案・営業を行う方も含む。業種は加工組立業(自動車・電機・機械・電子部品)とプロセス産業(素材・化学・食品・医薬)の両方を扱う

講師紹介

宮本 絵里子(みやもと えりこ)

製造業専門コンサルタント/元 大手自動車メーカー生産技術部・中堅製造業コンサルタント

東京理科大学工学部機械工学科卒業後、大手自動車メーカー(トヨタ系完成車メーカー類似想定)の生産技術部に新卒入社し 10 年(プレス・組立ラインの工程設計 4 年、品質保証ローテーション 2 年、海外工場立ち上げ 2 年、生産計画 2 年)。TPS(トヨタ生産方式)を現場で実践。2014 年に中堅製造業向けコンサルティング会社へ転じて 5 年(SCM 改革・スマートファクトリー DX 支援・品質システム再設計・原価管理高度化を年間 8 〜 12 社規模で主導)。2019 年に独立し、現在は中堅・大手製造業 50 社超のコンサル経験を持つ製造業専門コンサルタントとして年間 15 社の顧問・支援を継続。スタンス:「製造業は『見える化』が 9 割」「現場と数字の両輪、片輪では走れない」「品質はコストの前ではなく、コストを生む」「TPS はツールではなく思想」「サプライチェーンは個社で完結しない」「スマートファクトリーは IT 投資ではなく経営判断」「製造業のことば(OEE・歩留・MRP)を翻訳できる人は、社外でも社内でも重宝される」

受講される方へのメッセージ

「「製造業のクライアントを担当することになりました」「メーカーに転職したのですが、現場の話がわかりません」——この 10 年で、私が最もよく受けてきた相談です。製造業は GDP の約 20 % を占める基幹産業でありながら、業界外の方には「ことば」と「考え方」がわかりにくい世界です。OEE、歩留、MRP、TPS、SQC、BOM——これらが当たり前に飛び交う会議で、何が議論されているかを理解できるかどうかは、転職者にとっても担当者にとっても提案者にとっても、最初の半年の関わり方を大きく左右します。本コースは、自動車メーカー生産技術 10 年・コンサル 5 年・独立後 50 社超の支援で見えてきた「製造業を読み解く眼鏡」を、業界外の方に向けて 8 レッスンで届けます。現場の写真や工場の中身を知らなくても、業界構造・バリューチェーン・生産形態・TPS・品質管理・原価・SCM・スマートファクトリーの 8 領域を俯瞰すれば、製造業のことばが翻訳できるようになります。「現場主義」と「数字主義」の両輪で、製造業との関わり方を深めていきましょう。」

レッスン一覧

  1. 1

    製造業の現在地と本コースの守備範囲

    製造業の定義と日本経済での位置(GDP 約 20 %・輸出構造・就業者構成)、製造業のサブ業界分類(加工組立 vs プロセス、B2C vs B2B、自動車・電機・機械・素材・化学・食品・医薬・電子部品の 9 業種俯瞰)、製造業を取り巻く構造変化(人口減・脱炭素・地政学・DX)、本コースの守備範囲(転職者・担当者・提案者の 3 視点)、現場主義と数字主義の両輪、製造業のことば(OEE・歩留・MRP)が翻訳できる価値を学ぶ

  2. 2

    製造業のバリューチェーン——設計・調達・製造・物流の全体地図

    Michael Porter のバリューチェーン概念、製造業の 5 段階(R&D・設計・調達・製造・物流/販売・アフターサービス)、コンカレントエンジニアリングと DfM/DfX、部品表(BOM)の構造、製造業の 3 つの情報流(製品情報・生産情報・販売情報)、川上と川下の関係、QCD(Quality / Cost / Delivery)の三角形、製造業の組織図の典型(製造/品質保証/生産技術/調達/物流の 5 機能)を学ぶ

  3. 3

    生産形態と生産計画——MTS/MTO/ETO/ATO と PSI

    生産形態の 4 分類(MTS 見込生産・MTO 受注生産・ETO 個別設計生産・ATO 組立後カスタマイズ)、ライン生産/ロット生産/個別生産/セル生産/連続生産の使い分け、生産計画 PSI(Production-Sales-Inventory)の発想、需要予測と生産能力のバランス、リードタイム(製造/調達/物流)、工場 KPI 入門(OEE = 可用性 × 性能 × 品質・サイクルタイム・タクトタイム・スループット)を学ぶ

  4. 4

    トヨタ生産方式(TPS)と Lean——日本の製造業を世界に広めた発想

    大野耐一と TPS の起源(1950 年代〜)、Toyota Way の 2 本柱(JIT と自働化)、7 つのムダ(過剰生産・待ち・運搬・加工・在庫・動作・不良)と 8 つ目のムダ(人の創造性)、平準化(Heijunka)、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)、Kaizen 文化と現場の改善提案、Womack & Jones『The Machine That Changed the World』1990 年と Lean Manufacturing の世界展開、TPS のソフトウェア・サービス業への波及(リーンスタートアップ・カンバン)、TPS が機能するための前提(経営層の本気と現場の自律)を学ぶ

  5. 5

    品質管理(QC・SQC・TQM・Six Sigma)と品質不正——QC 7 つ道具と再発防止

    品質の定義(Crosby・Juran・Deming の 3 視点)、Deming サイクル PDCA とアメリカ品質賞 MBNQA、QC(Quality Control)と QA(Quality Assurance)の違い、QC 7 つ道具(パレート図・特性要因図/フィッシュボーン・ヒストグラム・散布図・管理図・層別・チェックシート)、新 QC 7 つ道具(言語データ系)、SQC(統計的品質管理)と工程能力指数 Cp/Cpk、Six Sigma の DMAIC(モトローラ 1986・GE Jack Welch)、TQM(全社的品質管理)、製造業品質不正の代表事例(神戸製鋼 2017/三菱電機 2021/日野自動車 2022/ダイハツ 2023)と再発防止構造を学ぶ

  6. 6

    原価管理と工場の数字——標準原価・原価差異分析・工場 KPI

    製造原価の 3 区分(材料費・労務費・経費)、直接費と間接費、変動費と固定費、製造原価明細書の構造、標準原価と実際原価の役割、原価差異分析(材料価格差異・材料数量差異・労務時間差異・操業度差異)、在庫評価(先入先出 FIFO・移動平均・総平均)、ABC(Activity-Based Costing)の発想、工場 KPI 詳細(OEE の 3 要素・歩留/良品率・MTBF/MTTR・在庫回転日数)、製造業の財務的特性(高い設備投資・固定費比率・棚卸資産大)、ROIC と製造業の経営指標を学ぶ

  7. 7

    SCM とサプライチェーン論点——調達から地政学リスクまで

    SCM(Supply Chain Management)の概念、ブルウィップ効果と MIT Beer Game の教訓、サプライヤー戦略(系列/日本型/グローバル調達/ローカリゼーション/デュアルソース)、BOM(Bill of Materials)と MRP(Material Requirements Planning)/MRP II /ERP の系譜、在庫戦略(安全在庫・JIT・VMI・Consignment)、BCP(事業継続計画)と地政学リスク(半導体不足 2020 〜・レアアース・台湾有事・米中デカップリング)、リショアリング/フレンドショアリング/チャイナ +1 /ニアショアリング、サプライチェーンのサステナビリティ(CO2 排出 Scope 1 〜 3・強制労働・紛争鉱物・CSDDD)、サプライチェーン攻撃を学ぶ

  8. 8

    スマートファクトリーと製造業 DX——IoT・MES・AI・修了後の継続学習

    インダストリー 4.0(ドイツ 2011 年)と Society 5.0(日本 2016 年)、製造業 DX の現在地(経済産業省 DX 推進指標)、MES(Manufacturing Execution System)の役割と ERP との連携、IoT センサーとデータ収集、エッジコンピューティングと工場ネットワーク、予知保全(Predictive Maintenance)と CBM、デジタルツインと工場シミュレーション、製造業 AI の代表的ユースケース(外観検査・需要予測・設計支援・生産スケジューリング最適化)、スマートファクトリー導入 4 段階(可視化→分析→予測→自律)、製造業のカーボンニュートラル(Scope 1 〜 3・LCA・CBAM)、人材不足と技能伝承への DX 適用、修了後の継続学習方向を学ぶ

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(117語)
アンドン
製造現場の信号灯で、作業者が異常を検知した際に点灯させて生産ラインを停止させる仕組み。TPS の自働化(Jidoka)を支える代表的な現場ツール。
インダストリー 4.0(いんだすとりー よんてんぜろ)
ドイツ連邦政府が 2011 年に「ハノーバー・メッセ」で発表した製造業デジタル化の国家戦略。第 4 次産業革命を意味し、IoT・AI・データによる製造業の変革を産学官連携で推進する構想。
営業時間
工場の操業時間。OEE の可用性計算で「計画稼働時間」の分母として使う基準時間。
エッジコンピューティング(えっじこんぴゅーてぃんぐ)
工場内のローカルサーバーで IoT センサーデータを処理する仕組み。クラウドと組み合わせて、リアルタイム性とコストのバランスを取る。
エンタープライズ・リソース・プランニング(えんたーぷらいず・りそーす・ぷらんにんぐ)
ERP の正式名称。全社の業務(販売・購買・在庫・生産・財務・人事)を統合管理するシステム。
加工組立業
部品を加工し、組み立てて完成品を作る業種。自動車・電機・機械・電子部品が代表例。多数部品の組立で BOM が複雑、サプライチェーンが広い。