本文へスキップ
スキルアップカレッジ

アサーティブコミュニケーション入門

コミュニケーション 入門 全8レッスン 約200分

公開日:

コース概要

「言いたいことが言えない」「ついきつい言い方になって関係を壊してしまう」「断れずに仕事を抱え込む」——働く現場で誰もが一度は感じる悩みです。これらは性格や根性の問題ではなく、自己表現のスキルとして学べることがわかっています。本コースでは、相手の権利も自分の権利も尊重する「アサーティブコミュニケーション」を、心理療法・臨床心理学から発達してきた古典的フレームワーク(4 つの自己表現タイプ、10 の権利、DESC 法、NVC、認知の歪みなど)を骨格に、8 レッスンで体系的に学びます。理論を「明日の職場で試せる動作」に翻訳することを優先しています。

学習の流れ

レッスン 1〜2 で、アサーティブの全体像と歴史的背景・10 の権利を押さえます。レッスン 3〜5 は「自分を整え、伝える」基本のレッスンで、自己理解、I-message、DESC 法という 3 つの土台を順に積み上げます。レッスン 6〜7 は「相手を受け止め、衝突に応じる」レッスンで、アクティブリスニングと、批判・操作への対応技法を扱います。最後のレッスン 8 で、評価面談・1on1・ハラスメント対応など職場のリアルな場面への応用と、継続トレーニングの設計、コース修了後の学習方向を案内します。前半(レッスン 1〜2)は「考え方の土台」、中盤(レッスン 3〜5)は「伝える技術」、後半(レッスン 6〜7)は「受け止める技術」、終盤(レッスン 8)は「実践と継続」という四段構えです。

このコースで学べること

  • 攻撃的・受動的・操作的・アサーティブの 4 つの自己表現タイプを区別し、自分の傾向を把握できる
  • アサーティブの 10 の基本権を理解し、「我慢する自分が大人」という思い込みから距離を取れる
  • 思考・感情・事実を分けて、自分の不快感の正体を言語化できる
  • I-message と観察ベースの表現で、相手を責めずに自分の状態を伝えられる
  • DESC 法を使って、断る・主張する場面を 4 ステップで設計できる
  • アクティブリスニングの 3 レベルと共感的理解で、相手の主張を受け止められる
  • ブロークン・レコード、フォギング、ネガティブ・インクワイアリで、批判や操作に冷静に応じられる
  • 評価面談・1on1・チーム会議でアサーティブを実践し、ハラスメントとアサーティブの境界を理解できる

対象者

「言いたいことを我慢しがち」「ついきつい言い方になってしまう」「断れない、頼めない」「評価面談や 1on1 で本音を伝えられない」と感じている社会人。営業・カスタマーサポート・人事・看護師・教員など感情労働の比重が高い職種、若手・リーダー・管理職を問わず幅広く対象。職場で人間関係に消耗している方、ハラスメントを未然に防ぐ対話力を身につけたい方にも役立つ内容

レッスン一覧

  1. 1

    アサーティブコミュニケーションとは何か——4 つの自己表現タイプ

    攻撃的・受動的・操作的・アサーティブの 4 分類、自他尊重という中核、行動療法の系譜(Salter 1949、Wolpe 1958)、日本での受容(平木典子)、「正直=攻撃的」になりがちな構造を学ぶ

  2. 2

    アサーティブの 10 の権利と心理的背景

    Manuel J. Smith の 10 の基本権、認知療法の系譜(Ellis ABC 理論、Aaron Beck)、非主張・攻撃・操作の心理的コスト、日本の「我慢の文化」との相性、権利を義務と混同しないことを学ぶ

  3. 3

    自己理解の技術——感情・事実・解釈を分ける

    思考・感情・事実の 3 分離、認知の歪み 10 種、ジョハリの窓、自分の不快感の正体を言語化する技術、信号としての感情の機能を学ぶ

  4. 4

    「伝える」基本——I-message と観察ベースの表現

    I-message と You-message の使い分け、観察と評価の分離、NVC の 4 ステップ(観察・感情・ニーズ・リクエスト)の入口、「いつ・何が・どう困ったか」を事実で述べる技術を学ぶ

  5. 5

    断る・主張する——DESC 法と境界線設定

    DESC 法(Describe・Express・Specify・Choose)、境界線の概念、「No」を伝える基本動作、突発依頼・過剰な仕事量・長時間労働の依頼・プライベートへの踏み込みなど場面別の応用を学ぶ

  6. 6

    聴く——共感とアクティブリスニング

    アクティブリスニングの 3 レベル、Carl Rogers の 3 条件(無条件の肯定的配慮・共感的理解・自己一致)、パラフレーズと要約、NVC の聴き方版、「同意」と「理解」を分ける技術を学ぶ

  7. 7

    衝突・批判への対処——ブロークン・レコード、フォギング、ネガティブ・インクワイアリ

    ブロークン・レコード、フォギング、ネガティブ・アサーション、ネガティブ・インクワイアリの 4 技法、攻撃と建設的批判を見分ける、「沈黙」も選択肢にする発想を学ぶ

  8. 8

    職場での実践と継続トレーニング——評価面談、1on1、ハラスメントの境界

    評価面談・1on1・チーム会議でのアサーティブ、上司への意見、部下へのフィードバック、ハラスメントとアサーティブの境界、ロールプレイ・ジャーナリング・SBI 記録による継続トレーニング、コース修了後の学習方向を学ぶ

  9. 総復習テスト

    全レッスンの内容を振り返るテスト

このコースの用語集(65語)
アクティブリスニング
積極的傾聴のこと。相手の言葉・表情・声のトーンに注意を向けて、相手の言いたいことを理解しようとする聴き方。内向き(レベル1)・相手にフォーカス(レベル2)・場全体(レベル3)の3レベルで整理される。
アサーション(あさーしょん)
アサーティブな自己表現のこと。日本では「アサーション・トレーニング」として、平木典子氏らが1980年代以降に紹介した。本コースの「アサーティブコミュニケーション」と同義で扱う。
アサーティブ(あさーてぃぶ)
自他尊重を中核とする自己表現スタイル。自分の権利と相手の権利の両方を尊重しながら、率直・誠実・対等に表現する。攻撃的・受動的・操作的と並ぶ「第4の選択肢」として位置づけられる。
アサーティブの10の権利(あさーてぃぶのじゅうのけんり)
Manuel J. Smithが1975年の『When I Say No, I Feel Guilty』で示した、対等に対話するための前提となる10の基本権。「自分で判断する権利」「理由なく行動する権利」「気が変わる権利」などを含む。
アンガーマネジメント(あんがーまねじめんと)
怒りの感情を理解し、適切に扱うための技法群。アサーティブと隣接するスキル領域で、本コース修了後の学習方向としても案内している。
同意と理解の区別
「相手の主張を正しいと認める」(同意)ことと、「相手の視点から見れば筋が通っていると認識する」(理解)ことは別という発想。「理解した上で同意しない」が、もっとも対等な立ち位置とされる。